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【独自】「エホバの証人」信者女性 白内障手術断られ、滋賀医大を損賠提訴

要約:

■ 1. 事件の概要

  • 滋賀県の女性がエホバの証人の信者であることを理由に白内障手術を断られたとして滋賀医科大付属病院を運営する滋賀医大に330万円の損害賠償を求め大津地裁に提訴(提訴日:2026年1月23日)
  • 女性は2024年1月に宗教上の理由から輸血を受け入れないことを文書で示したところ医師から「エホバの証人は受け入れられない」として診療を拒否された
  • その後別の医院で両目の手術を受けたが輸血の必要はなかった

■ 2. 主要な論点

  • 診療拒否の正当性:
    • 病院側は「生命維持のために必要と判断した場合には輸血を行う」との方針を公示しており輸血が必要になりうる患者は受け入れられないとするリスク管理の立場をとっていた
    • 実際には輸血が不要であったという事実から医学的リスク評価の妥当性が問われる
  • 患者の自己決定権と医師の裁量権の対立:
    • 原告側は患者の自己決定権を尊重して適切に治療する義務を負う病院が正当な理由なく治療を拒否したと主張
    • 信仰に基づく医療上の意思決定を行う患者の権利と医師が治療方針や患者選択に裁量を持つ権利のどちらを優先するかが争点となる
  • 公立病院の義務と差別の禁止:
    • 原告代理人は診療拒否を差別行為かつ憲法上の基本的人権の侵害と主張し公立病院の義務違反を指摘
    • 国立大学附属病院である滋賀医大は私立病院と異なり公共性・公平性の観点からより厳格な義務が課されるとされる
  • 宗教的信条に基づく一律拒否の問題:
    • 個別の症例を医学的に判断せず「エホバの証人」という属性のみで診療を拒否した点が問題視される
    • 比較的侵襲の低い白内障手術において実際に輸血が不要であったという事実は一律排除の不合理さを示す重要な証拠となりうる

■ 3. 対立する立場の整理

  • 診療拒否の理由:
    • 原告側: 正当な理由なし・差別にあたる
    • 被告側: 輸血拒否による医療リスク管理のため
  • 法的根拠:
    • 原告側: 憲法上の基本的人権および公立病院の義務
    • 被告側: 医師の裁量権および方針の明示
  • 結果の評価:
    • 原告側: 実際に輸血が不要であったため拒否は不当
    • 被告側: 係争中のためコメントせず

■ 4. 注目点

  • 本訴訟は宗教的信条・医療倫理・公立機関の義務・憲法的人権保護が交差する複合的な事案である
  • 判決次第では日本の医療現場における信仰を理由とした診療拒否の基準に広く影響を与える可能性がある

MEMO: