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例のBL漫画家の声明を見たいち腐女子の感想

要約:

■ 1. 「性的表現」と「性的搾取」の定義と誤用

  • 性的搾取の定義:
    • 不均衡な力関係の下で相手を性目的で利用する行為を指す
    • 基本的人権を剥奪して性的奉仕を強いる行為も含む非常に重い語である
  • 創作物における性的描写の位置付け:
    • 非実在の架空キャラクターへの煽情的描写は「性的表現」に過ぎず「搾取」には該当しない
    • 創作物はクリエイターが生み出す商品であり性的に消費されることを前提に作られたものである
    • 消費を目的に発表された描写を「搾取」と呼ぶことは誰に対する何の搾取かが不明瞭であり不毛な感情論に終始する
  • 語の乱用に対する批判:
    • 深刻な社会問題を指す語を本来の定義と外れた場面で乱用することは言葉の重みの軽視である
    • 実在する性的搾取の被害者の苦悶を無視して自己主張の道具にするべく被害を僭称しているも同然である
    • 適切な語は「性的消費」であり「搾取」ではない

■ 2. 表現の自由とその責務

  • 表現の自由の本質:
    • 思想・信条・良心の自由を保障する基本的人権に根ざすものである
    • 現政権批判や既存価値観の再評価も表現の自由の範疇に含まれる
  • 第三者による規制の危険性:
    • 第三者が適切・不適切を判断して制作や公開を禁じるとクリエイターは委縮し規制団体への忖度が生じる
    • 結果として規制団体に都合の良いプロパガンダ的作品のみが存続を許されるという精神的自由の消失につながる
  • 当該BL漫画家の声明の問題点:
    • 他作家に断りなく表現の適切・不適切なラインを一方的に設定してしまった
    • 成人×未成年という関係性を描く他作家の吊し上げを促すかのような印象を残した
    • 創作物が現実の性加害に影響を与えるという専門家でも見解が分かれる事柄を大々的に宣言した
    • 出版社や同社所属の作家にも影響が及ぶにもかかわらず影響範囲への配慮が欠けていた

■ 3. 腐女子・BLコンテンツのダブルスタンダード

  • 批判対象の不整合:
    • 炎上の発端は男子生徒と男性教諭の関係性であったにもかかわらず声明では「女子生徒や女性キャラ」への言及がなされた
    • 男性への性的消費や性加害が存在しないかのような認識を示しており性別を入れ替えても同様に問題となる点が見落とされている
    • ポリティカル・コレクトネスを標榜するならば男女双方に対して一貫した姿勢を示すことが前提となる
  • BLというコンテンツの本質:
    • シスヘテロ(マジョリティ)がゲイ(マイノリティ)に旧来の男女観を押し付けて性的消費するコンテンツである
    • BLはゲイ作家から「ゲイが犯罪的行為ばかりするかのような偏見を煽っている」と批判された実績がある
    • 腐女子の本質は恋愛の責任も行為の痛みも負わず好き勝手に異性の心身を性的消費する点にある
  • ダブルスタンダードの論理的破綻:
    • 「フィクションは現実に影響を及ぼす」という主張に従えばBLも架空ゲイ男性を性的搾取していることになる
    • 「社会的強者が弱者を性的消費する描写がダメ」ならばシスヘテロ女性がセクシャルマイノリティのゲイ男性を性的消費するBLも同様に問題となる
    • 「女性は性加害者になりえない」という主張もコミュニティの実績によって否定される

■ 4. 腐女子コミュニティの歴史的問題行為

  • 旧2ch同性愛板荒らし事件:
    • 腐女子がゲイ男性のコミュニティに身分を偽って侵入しスレッドを荒らした
    • 被害を受けたゲイ男性が対抗手段として女性蔑称を用いたことが「まんさん」等のミームの起源となった
    • 腐女子の行為が現在の非オタク女性にまで迷惑を及ぼしている
  • コミュニティとしての問題性:
    • セクシャルマイノリティへの加害行為について自浄作用がなく現在まで継続している
    • ダブルスタンダードについて誰に非難されようと改善されないまま蔓延し続けている
    • 過激腐女子に最も迷惑をかけられているのはゲイ男性である
  • 二次創作における倫理問題:
    • 著作権侵害が原作者への名誉棄損になりうることへの配慮が欠如している
    • 原作購買に貢献せず二次創作のみを消費・拡散する行為への問題意識が希薄である

■ 5. 総評と結論

  • 声明に対する総括:
    • 創作上の性的描写は性的搾取という語では不適当である
    • 女子生徒の性的描写を自粛するならば男子生徒も同様に自粛すべきであった
    • 確立したジャンルを一作家が自己判断で不適切と評することはそのジャンルの作家・読者への非難となりうる
    • 声明の冒頭二行と末尾二行のみで事足りたところを論点をずらしたことで炎上を再燃させた
  • 表現の自由の相互保護:
    • 理解できない表現でも等しく保護することでクリエイターと読者双方の自由と権利が存続する
    • 他者の創作物を否定するならば自らの創作物も否定されて当然という相互性がある
    • 表現の自由は都合よく使い分けるものではない
  • BL規制の将来的リスク:
    • 欧米では「マジョリティがマイノリティをステレオタイプポルノ的に消費することは差別」との批判で出版停止となった事例が存在する
    • 男性同性愛当事者でない者が手掛けたBL創作が外圧によって禁止される未来は十分ありえる
    • ダブルスタンダードを改めない限りBL自体も「正しくない」作品として規制対象となる可能性がある