■ 1. 論文の主題と結論
- フェミニストによるミラーリング(相手の表現を性別反転させて見せる戦術)がなぜ的外れになるかを論じる
- 結論は二点ある:
- 男性が搾取を実感しうる価値の在り方は女性のそれと決定的に異なる
- 男性ジェンダーへの搾取を搾取として扱えるような人間はフェミニストではありえない
■ 2. ミラーリング失敗の具体例
- 畢氏が「温泉むすめ」批判への反論として描いた「玉袋ゆたか」(性器を誇張した男性キャラ)は男性側にほぼダメージを与えなかった
- 男性側の反応は嫌悪ではなく好意的なものが多数を占めた
- 誇張された睾丸・陰茎の描写では男性は「被害」を感じない
- 同種の失敗はネット上で無数に繰り返されている
■ 3. 女性ジェンダーにおける「搾取」の構造
- 女性は人口の再生産を担い身体的魅力と若さを希求される性である
- 若く健康な肉体を持ち男性をその身に受け入れることが「女らしさ」として社会から供出を求められる
- フェミニストが「オタク的表現」を批判するのは以下の構造による:
- 女らしさの表象を当事者のコントロール外で男性が娯楽として消費することへの嫌悪
- 現実の性犯罪や自身へのまなざしとリンクさせた感情的反応
■ 4. 男性ジェンダーにおける「搾取」の構造
- 男性は共同体のために体を張り強さを示し何かを成し遂げることを宿命とされてきた
- 統計的事実:
- 男性の自殺者は女性の約2倍
- 過労死者数は(就業者比補正後)約14倍
- ホームレスは約33倍
- 男性が危険に晒される背景:
- 働き決断し戦い時に死ぬことが「男らしさ」として内面化されている
- 女性を含む社会のまなざしに背を押されて遂行される
- 男性に「効く」搾取とは性器を誇張することではなく男の戦い・挺身・頑張りを無価値と断じて踏み躙ることである
- 日常レベルの搾取例:
- 外で働く夫を「お気楽」と評する主婦の発言
- 男性の恋愛アプローチや人命救助を採点し脱臭された男らしさを要求すること
- 「女だけの街」の夢想など男の有害さを語り合う言説
■ 5. フェミニズムの世界観とミラーリング失敗の根本原因
- フェミニズムはジェンダーに関わるあらゆる問題を「男による支配」に帰責する思想である
- フェミニズムの基本的世界観:
- 男は家父長制を通じて女を隷属させ身体と尊厳を搾取する体制を維持しようとしている
- 女は常に被搾取者である
- フェミニストが認めないこと:
- 女もまた男らしさの恩恵に浴している事実
- 男女それぞれのつらさが両性の共犯関係により形作られているという視点
- 戦争や労災で男が死ぬことを男性ジェンダーへの搾取として扱う認識
- 結論:
- 現実に存在する男性ジェンダーの搾取を搾取として描写することはフェミニズムの世界観そのものを否定する行為となる
- そのため効きもしないミラーを無理に作出するしかない
- フェミニストはミラーリングができないのではなく男性への搾取を女性解放のための正当な主張としか認識していない