海水温影響?太平洋スルメイカ不漁深刻 | 河北新報オンラインニュースより
太平洋のスルメイカの不漁が深刻だ。北海道東沖のイカ漁は水揚げ量が昨年の約3%に落ち込む市場もあり、八戸港(青森県八戸市)で水揚げが3割減るなど東北の三陸沖も伸び悩む。
漁業情報サービスセンター(東京)によると、生スルメイカが特に多く集まる北海道の羅臼町や釧路市など道東の魚市場で水揚げ量が激減。冬の盛期に入っても増えず、10月までの数量は羅臼が前年比97%減の117トン、釧路が同81%減の1359トンにとどまる。
イカの水揚げ日本一の八戸港も10月までの水揚げが同31%減の7495トンと落ち込む。
要因の一つに海水温の変化がある。東北区水産研究所の木所英昭浮魚・いか資源グループ長(46)によると、東シナ海は中長期的な気候変動で海水温が下がる傾向にあり、ふ化したイカの死滅につながった可能性が高い。
太平洋側では1970~80年代にスルメイカが長期的に激減し、マイワシが豊漁になる「魚種交代」が起き、当時も日本周辺の寒冷化が指摘された。道東沖は今年、マイワシが大幅に増えている。
魚種交代が起きると、加工業者は厳しい状況に陥る。70~80年代は南米沖などに漁場を広げて量を確保できたが、現在は各国の資源管理が進み、海外の漁場にはほとんど入れない。
木所氏は「不漁が長期化すると見極められれば、新たな漁場開拓などの対応が必要になる」として、当面は生態系の変化や今後も東シナ海に産卵場が形成されるかどうかを注視する考えだ。
ふむ。