■ 1. 3選出馬表明会見の状況
- 玉城デニー沖縄県知事は4月25日、那覇市内で3選出馬表明会見を行った
- 登壇者は妻、後援会長、支援団体会長の3名のみで、過去2回の会見と比較して支持者の姿が大幅に減少した
- 会見は辺野古沖転覆事故の犠牲者への黙祷から始まり、批判を意識した演出が見られた
■ 2. 転覆事故への対応と批判
- 名護市辺野古沖で修学旅行中の女子高生ら2名が死亡した転覆事故に対し、玉城知事は初動対応の遅さを批判された
- 批判の背景:
- 事故後すぐに現場を訪れなかった
- 転覆した2隻を運航していたのは「ヘリ基地反対協議会」で、玉城氏が率いるオール沖縄と連携する「身内」の組織であった
- 身内への配慮が判断を鈍らせたと疑われている
- SNSでの問題行動:
- 事故から約1か月後の現場訪問日(4月21日)に、ゴルフ場併設レストランでの食事が疑われる投稿をSNSにアップし、後に削除した
- 庶民とかけ離れた感覚が改めて問題視された
■ 3. 過去のSNS炎上事案
- 2019年(1期目):知事肝いりの平和会議の委託業者と、契約締結前日に会食した様子がSNSに出回り、議会で「癒着だ」と批判を浴びた
- 2021年:コロナ禍で県民に会食自粛を求める一方、家族以外とバーベキューを行いSNSに投稿し、謝罪に追われた
■ 4. オール沖縄の弱体化と政界地図の変化
- 辺野古埋め立てに関する訴訟は2024年に最高裁で沖縄県の敗訴が確定し、国は昨年11月から土砂投入を再開した
- オール沖縄は県議会で少数与党に転落した
- 主要な離反:
- 2021年9月、県議会議長(当時)の赤嶺昇氏が与党から離脱
- 同年10月、保守派の財界重鎮・金秀グループの呉屋守將会長がオール沖縄への不支持を表明
- 元後援会幹部は「デニーの指導力不足がオール沖縄の形骸化を加速させた」と指摘している
■ 5. 政策の行き詰まり
- 「基地反対」の一本足打法に終始し、次の施策がない状態が続いている
- 国との対話がなく、県民は今後の方針に戸惑っている
- 稲嶺惠一元知事は「軍民共用化」や「15年の使用期限」といった条件を提示し国に一時受け入れさせた実績があるが、玉城県政ではそのような交渉の余地が損なわれたままである
- 基地依存からの脱却に向けた経済振興の道筋も示されておらず、保守派をつなぎとめる施策がないまま離反を招いた
■ 6. 県庁の弱体化
- 込み入った案件を副知事任せにする傾向がある
- イエスマンを出世させ、耳の痛い進言をする優秀な職員ほど定年前に県内市町村の副市長などへ転出する悪循環が生じている
- 県民目線の行政を促す助言者が不在で、知事は「裸の王様」化していると指摘されている
■ 7. 今後の展望と課題
- 「イデオロギーよりアイデンティティ」を持論とする玉城氏だが、政治家としての自己認識が問われている
- 転覆事故を前に身動きできない状態が続いており、権力の弱体化を自覚した開き直りなのか、無自覚の自然体なのかが問われている
- 厳しい助言を進言できる側近の不在が示唆されている