■ 1. 事故の概要
- 2025年3月16日、沖縄県名護市辺野古沖で修学旅行中の高校生ら21名を乗せた小型船2隻(「不屈」「平和丸」)が転覆
- 「不屈」の金井創船長(71歳)と、「平和丸」に乗船していた同志社国際高校2年の武石知華さん(17歳)が死亡
- 2隻を運航していた団体はヘリ基地反対協議会(以下、反対協)
■ 2. 国交省による対応と聴取拒否の経緯
- 2025年5月22日、金子恭之国交相が記者会見で金井船長を海上運送法違反容疑(無登録営業)で告発すると発表
- 「平和丸」の諸喜田武船長と反対協は、告発対象に含まれなかった
- 内閣府沖縄総合事務局は事故発生以降、再三にわたって事実関係の聴取を申し入れてきたが、運航関係者の誰も応じていない
- 諸喜田船長の対応:
- 「刑事事件の取り扱いが懸念される」との理由で聴取に一切応じない意向を示す
- 反対協の対応:
- 「書面による照会にのみ応じる」との立場を取り、2025年5月8日付の質問書に対し同年5月19日に1回のみ書面回答
- 両者とも代理人弁護士を通じて意向を伝達
■ 3. 反対協の事故後の対応への批判
- 事故当日の記者会見:
- 出席した幹部5名全員が普段着で登場し、腕を組んでふんぞり返る者もいた
- 共同代表・浦島悦子氏の発言(2025年4月中旬、琉球新報主催の講座):
- 「私たちがやっていること(反基地運動)が間違っているわけではない」と発言
- 「荒れた海に出たというのは間違い」と一方的な主張を展開
- 遺族への対応:
- 武石さんの父親がnote(2025年4月17日付)で、船長・乗組員・反対協から対面での謝罪、面会可否の問い合わせ、手紙、弔電のいずれもなかったと公表
- 反対協は2025年5月1日、公式HPで謝罪と「捜査機関および関係機関の調査に全面的に協力している」とのコメントを掲載したが、実際には国交省の聴取を拒否していた
■ 4. 平和丸船長の安全管理上の問題点
- 波浪注意報が出ているにもかかわらず出航を決断
- 多数の生徒を乗せて波が高い危険なリーフ際の海域を航行
- 武石さんに救命胴衣を正しく着用させていなかった
- 乗客名簿を作成せず、118番通報も行わなかった
- 2025年3月22日の実況見分当日、名護市内のスナックを訪れ泥酔するほど飲酒していたことが報じられた
■ 5. 刑事責任に関する専門家の見解
- 元第3管区海上保安本部長・遠山純司氏の指摘:
- 現在、海上保安庁は業務上過失致死傷などの容疑で捜査を進めている
- 反対協と平和丸船長は、国交省への聴取で刑事責任を問われるリスクが高まることを懸念していると考えられる
- 平和丸船長の安全管理の瑕疵は多岐にわたり、業務上過失致死傷罪での立件も免れないと指摘
- 反対協の刑事責任について:
- 海難事故で刑事責任を問われるのは一義的には船長であり、運航団体の責任が問われることはまれ
- 反対協は法人格を有さず指示系統が曖昧であり、船の運航責任への関与を否定する可能性が高い
- ただし、海保は事件の重大性を勘案し、組織としての安全管理責任を立件することも視野に捜査を進めていると見られる
■ 6. 当事者側の弁明と現況
- 反対協共同代表・仲村善幸氏:
- 書面のみの対応である理由を問われ、「それが駄目なんですか?」「法律の素人なので弁護士にお任せしている」と回答
- 代理人弁護士・三宅俊司氏の説明:
- 反対協は書面で国交省側に協力していると主張
- 諸喜田船長が聴取に応じない理由として、内閣府沖縄総合事務局から呼び出しの根拠がないとの回答を得たこと、政府に内容が伝わる懸念、刑事事件における依頼人の不利益を挙げる
- 諸喜田船長は精神的・肉体的な変調により通院中であり、「遺族に謝罪したい」と繰り返し述べているとする
- 反対協側の窓口が統一できておらず、遺族側との連絡が取れていない状況と説明