■ 1. 事件の概要
- 英国サウサンプトンで、白人学生ヘンリー・ノバクさん(18歳)がシーク教徒のビクラム・ディグワ被告(23歳)に刃渡り21センチの儀礼用ナイフで刺殺された
- 事件は昨年12月、ノバクさんがサッカーチームのメンバーと夜の街に出かけた際に発生した
- サウザンプトン刑事法院はディグワ被告に終身刑を言い渡し、最低拘禁期間を21年に設定した
■ 2. 警察対応の問題
- ディグワ被告は現場に到着した警察に「ノバクさんから人種差別的な侮辱を受けた、自分が被害者だ」と虚偽の申告をした
- 警察はディグワ被告の主張を受け入れ、致命傷を負ったノバクさんに手錠をかけた
- ノバクさんが「息ができない」「刺された」と訴えるも、警察官は「刺されてなんかいないだろ」と発言、救護を行わなかった
- ノバクさんはその後間もなく倒れ、意識を失った
- ボディーカメラ映像が公判で上映され、事件後に遺族の許可を得て一般公開された
■ 3. 遺族・政府・要人の反応
- ノバクさんの父マークさんは警察の対応を「衝撃的」「非人道的」「屈辱的」と批判し、息子の殺害犯が人間として敬意を持って扱われた一方、息子が手錠をかけられたと訴えた
- キア・スターマー首相は映像を「痛ましい」と表現し、警察に「重大な問題がある」との認識を示した上でIOPCによる調査を支持した
- シャバナ・マフムード内相は議会で、事件を口実にコミュニティー間の対立が生じてはならないと主張した
- 警察は警察官不祥事を独立調査する機関「IOPC」に本件を付託した
■ 4. 政治的対立と抗議デモ
- 保守党のケミ・ベーデノック党首とリフォームUKのナイジェル・ファラージ党首は警察のダイバーシティ・ポリシー変更を求めた
- ファラージ氏は「白人の権利が少数民族より軽視される2層構造の社会」と主張した
- ベーデノック氏はファラージ氏を「分断を深めている」と非難しつつ、警察による「2層構造の取り締まり」も批判した
- 2日夜、サウサンプトンの警察署前に1000人以上が集まり抗議デモを実施、「2層構造の取り締まりをするクズども」などと叫んだ
- 極右活動家トミー・ロビンソン氏がデモで演説し、白人が「2級市民」として扱われていると訴えた
- デモ隊の約100人が暴徒化し、機動隊にレンガや発煙筒、椅子などを投げる暴動に発展した
■ 5. その他の動向
- 米富豪イーロン・マスク氏はXへの投稿で、警察への私人訴追費用を支援する意向を表明した
- ディグワ被告は武器犯罪に関連し、兄と父と共に再出廷した
- ディグワ被告の家族はノバクさんの遺族に謝罪し、シーク教徒コミュニティーに「不名誉」をもたらしたことも謝罪した