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結局、多様性を認めるかどうかは、崇高な理念ではなく、コストとリターンの兼ね合いで決まる。

要約:

■ 1. 問題提起: 「都合の良い多様性」という矛盾

  • 「不快なやつは全員ブロックすることで個人の幸福が実現される」という記事を受け、筆者は自身の多様性観を見直した
  • 筆者は「多様性は素晴らしい、だから重んじるべき」という理念を無意識に持っていたが、実際には自分に都合の良い多様性しか認めていなかったと気づく
  • 例として、成果を上げずに昇給を要求する社員や、虚偽報告をする社員を許容するかという問いを挙げる
  • 「多様性の観点ではあり得る」としても、自分はそれを許容しないと認めざるを得ない

■ 2. 多様性はコスト(保険料)である

  • 別の記事の論点として「多様性はメリットではなくコスト(保険料)である」という視点が提示された
  • この解釈によれば「多様性をどこまで認めるか」という問いは「多様性のコストをどこまで負担できるか」という問いに置き換えられる
  • コストとリターンの関係を無視した「無限の多様性」は不可能であるという結論が導かれる

■ 3. 具体例によるコスト観の説明

  • 失効した免許証での携帯電話契約手続きを求めるクレーマーの事例:
    • 多様性の観点では「失効直後なら認めてもよい」という意見もあり得る
    • しかし、例外対応はオペレーションコストが高すぎるため、携帯電話会社は認めない
    • 近年「クレーマーは受け入れコストが高すぎる」として、コストに見合わない多様性を排除する動きが広まっている
  • 企業内の価値観の相違も同様:
    • 「会社は金儲けの場か、楽しく仕事をする場か」といった価値観の多様性を両立するには、都度の調整が必要で効率が悪い
  • Twitterでの罵詈雑言を浴びせるアカウントに対するミュート・ブロックも、相手コストが高いと判断した結果である

■ 4. 余裕のある組織だけが多様性を維持できる

  • Googleなどシリコンバレーの企業が多様性を標榜できるのは、そのコストを支払う余裕があるからである
  • 儲かっていないオーナー系企業が社員の価値観統一(洗脳)を図るのは、多様性コストが高すぎるためである
  • Googleでも多様性維持の限界が露呈しており、価値観をめぐる内部対立が発生している
  • 中国のような思想統制国家は意思決定コストが低く、「単一目的」の達成においてはスピードが速い
  • 日本の高度成長期においても、多様性は効率を妨げる要因だった可能性がある

■ 5. 多様性に関する結論と教訓

  • 結論:
    • 多様性自体に良い・悪いはない
    • 多様性を認めるかどうかはコストとリターンの兼ね合いで決まる
    • コストとリターンの感じ方は個人ごとに異なる
  • 教訓:
    • 多様性を認めるかどうかは個人の自由であるが、「多様性を認めろ」と他者に押し付けることは、他者にコスト負担を強いることになるため、慎重さが必要である
  • 小学校の保護者会で担任教員が保護者の多様な要望に過度に気を遣っている事例も、多様性コストの具体的な現れである

■ 6. 多様性は「余裕の産物」である

  • 多様性から新しいものが生まれたり、マイノリティになったときの保障が得られるリターンは無視できない
  • しかし多様性は余裕(経済的・精神的ゆとり)の産物であり、突き詰めれば「金持ちの余裕」と言える
  • どんな組織・共同体でも、余裕のない人が増えるほど多様性は失われていく