■ 1. 訴訟の基本情報
- 発表日: 2026年6月22日
- 原告: 神谷貴行
- 被告: 日本共産党福岡県委員会
- 代理人弁護士: 平裕介、松尾浩順
- 事件番号: 令和7年(ワ)第2423号 残業代支払請求事件(福岡地方裁判所)
■ 2. 事案の概要
- 原告は県委員会勤務期間中に宿直残業を行ったにもかかわらず、割増賃金が適正に支払われなかったとして2025年5月21日に提訴
- 請求期間: 2021年11月30日〜2023年5月30日
- 請求内容: 宿直残業代237万8934円およびその他付加金等
■ 3. 本日の結果
- 2026年6月22日、福岡地裁において県委員会が原告の請求を全部認諾
- 認諾の法的根拠:
- 民事訴訟法266条(請求の認諾):被告が原告の請求を全面的に認める訴訟上の手続
- 民事訴訟法267条:確定判決と同一の効力を有する
- 本訴訟は原告全面勝訴の内容で終了
■ 4. 本件の意義
- 労働者性の争点:
- 日本共産党はこれまで長く党職員を労働基準法上の「労働者」(同法9条)と認めてこなかった
- 原告が2024年に内容証明を送付したが無視された
- 東京地裁の別裁判(令和6年(ワ)30571号)でも党は「指揮命令を受けて労働力を提供する関係にはない」等と主張し、労働者性を正面から認めていなかった
- 本裁判を通じ、県委員会は裁判上正式に原告の労働者性を認めざるを得なくなった
- 歴史的意義:
- 日本共産党104年の歴史において初めての結果
- 全国約2000人の党職員が自らの権利を行使することの重要性を示す事例となることが期待される
- 別裁判への影響:
- 東京地裁で係争中の不当除籍・解雇の撤回およびパワハラ賠償請求訴訟にも重要な影響を与えると考えられる
■ 5. 原告コメント
- 当初、県委員会に請求を無視された際は惨めな思いをしたが、画期的な結果となった
- 裁判支援および他の党員による残業代請求運動によって勝ち取られたものとして深く感謝する
- 同様の状況に置かれている他の共産党職員の励みになることを期待する
■ 6. 代理人コメント
- 手続の希少性:
- 請求の認諾は被告が原告の請求を全面的に認める極めて珍しい手続
- 党職員が裁判上正式に「労働者」と認められたのは日本共産党104年の歴史で初めて
- 課題と問題点:
- 時効の援用: 請求可能日から3年経過した残業代については時効を援用されたため、原告は一部の請求を断念
- 労働時間管理の欠如: 県委員会にはタイムカードや勤怠管理システムが存在せず、原告が手帳に勤務時間を自ら記録していたことで請求が可能となった
- 今後への期待:
- 「労働者階級の党」を掲げ、サービス残業撲滅を主張する党として、請求を待たずとも適正な労働時間管理と残業代支払いを実施することを求める
■ 7. 今後の予定
- 報告集会: 2026年7月3日(金)15時〜16時30分、東京・弁護士会館
- 訴状等の資料: https://sites.google.com/view/kamiyatakayuki/ にて公開
- 東京地裁の不当解雇裁判は引き続き継続中