■ 1. 一代限りで終わる祖父母ヘルプの構造的問題
- 祖父母のサポートを前提とした夫婦フルタイム共働きは、一世代限りで成立するモデルである
- そのモデルで育てられた子供は、自身が子育てをする際に同じサポートを受けられない
- 実際に親の共働きを祖父母の援助で支えられた当事者が、専業主婦を選択するケースが複数存在する
■ 2. 育児スキルの継承断絶
- 人任せで育児をしてきた親(祖父母世代)は、孫の世話をまともにできない傾向がある
- 子供を釣る手段(嗜好品の提供など)しか取れないケースが報告されている
- 食事の準備をしながら子供の面倒を見るといった基本的な育児行動が困難
- 核家族で人に頼らず育児をしてきた親は、孫の扱いに習熟しており任せられる
- 次世代の育児環境はさらに困難になると予測される
■ 3. フルタイム共働きと家庭運営の矛盾
- フルタイム共働きでは家庭が回らないのは当然であり、国も親自身もその現実から目を逸らしている
- この前提を無視したまま社会制度を設計することへの問題提起がある
■ 4. 祖父母の就労継続と高齢化による支援困難
- 定年延長(65歳まで)や再雇用により、祖父母世代が現役でフルタイム就労するケースが増加している
- 高齢出産・晩婚化により、子供が生まれた時点で祖父母が70歳前後になるケースが増える
- 70歳の体力で0歳児の世話をすることは困難
- 管理職・休みが取りにくい立場の祖父母も多く、物理的に支援できない状況がある
■ 5. 晩婚・高齢出産との関係
- 若い時期に結婚・出産をすれば祖父母はまだ現役世代で支援可能
- 晩婚・高齢出産の場合、祖父母はすでに高齢で支援どころではない状況になる
■ 6. 個人レベルの対応策
- 専業主婦・主夫になり育児サポートの連鎖を断ち切る選択をする者がいる
- 50歳までに一生分を稼ぎ、その後は子供・孫のサポートに回る生き方を目標とする者がいる
- 子供が祖父母ヘルプへ過度に依存しないよう意識的に距離を置く親もいる
- 早期FIRE(経済的自立による早期退職)を目指し、将来の孫サポートを担える体制を整える戦略も見られる
■ 7. 祖父母ヘルプ世代の子供への過大な期待
- 祖父母のサポートを活用して共働きした世代は、子供に高学歴・高収入を求める傾向がある
- 目標は子供がベビーシッターを雇える年収を得ること、とする見方がある
- この構造は、支援の再生産ではなく、外注化への転換を志向している
■ 8. 「人生100年・死ぬまで働く」社会との矛盾
- 高齢就労が常態化する社会では、祖父母ヘルプを前提とした育児・家庭モデルは成立しない
- 社会全体でこのモデルへの依存を前提とした社会形成は不適切である