/note/social

「事務局長のパワハラ」で揺れる「世界最大の人権NGO」で何が起きたのか…実名告発した女性職員が...

要約:

■ 1. 問題の概要

  • 世界最大の国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」の日本法人(東京都千代田区)で、事務局長(A氏)によるパワーハラスメント問題が発生
  • 職員の大福美穂さん(42)が今年4月に実名告発し、表面化
  • 法人は7月6日に対応の遅れを認めて謝罪する声明を発表したが、労働組合は対決姿勢を継続

■ 2. パワハラの経緯と被害内容

  • 大福さんの被害:
    • 2021年からアムネスティ日本に勤務していた大福さんは、2025年1月にA氏が新事務局長に就任してから被害を受け始める
    • 意見を述べると他職員の前で「わかっていない」「説明不足だ」などと罵倒され、ストレスによる抜毛症を発症
    • 同年9月9日、元アルバイトと談笑中にA氏から呼び捨てで怒鳴られ、「は? 何?」「別室でやれよ!」と大声で詰め寄られる
    • 翌日から頭痛・めまいが続き、適応障害と診断されて休職
  • 組織への訴えと無視:
    • 休職中も理事会やハラスメント防止委員会に第三者調査と職場改善を要求し続けたが、「対応中」の回答のみで具体的進展はなし
  • 他の被害者:
    • 60代男性職員が大福さんの業務を引き継ぐよう命じられ、不慣れな決済システムで二重引き落としのミスが発生、A氏のプレッシャーにより適応障害を発症し2週間休職
    • サービス残業が110時間を超える職員や、耐えかねて退職した職員も存在
    • 2025年2~3月には会費・寄付金の引き落とし業務が停止(法人は「自動化のための一時的な停滞」として公表)

■ 3. 実名告発に至る経緯

  • 大福さんは「外圧を借りなければらちが明かない」と決意し、4月28日にSNSで実名告発
  • 告発の背景:
    • 適応障害の症状として希死念慮があり、「死ぬならせめて自分の名前で死にたい」という追い詰められた心境
    • 名誉毀損で訴えられるリスクを覚悟したうえでの決断
  • 告発は拡散し新聞各紙も報道、激励メッセージが多数届き世論が後押しとなる
  • 同月、労働組合もA氏と理事長の更迭・職場環境改善を求め、一部業務のボイコットに踏み切る

■ 4. 法人の対応と現状の課題

  • 7月6日の発表内容:
    • 独立した弁護士による調査でA氏の複数の行為がパワハラと認定
    • 申し立てから調査開始まで約9カ月を要した背景として理事会の機能不全を指摘
    • 謝罪声明を発表し、A氏を事務局長職から解き理事長付とする
  • 残る課題:
    • 労働組合は「理事会体制の抜本的な刷新」と「被害職員への精神的・経済的損害の具体的な救済」「安心して復帰できる職場環境の確立」を継続要求
    • A氏は解雇でなく解任のため、職場復帰時に再接触する恐怖が残る
    • 大福さんへのA氏からの謝罪はいまだなし

■ 5. 問題の本質と教訓

  • 理事会の意識の問題:
    • 「非営利団体の職員が民間企業の社員のように労働者の権利を主張するのはおかしい」と公言する理事が存在
    • 崇高な理想や大きな人権問題に目を向けるあまり、身内職員の権利を無視し「多少の我慢は当然」とみなす姿勢が組織的問題の背景に
  • 大福さんの発言:
    • 「身近な人が困っているときに手を差し伸べることは、寄付やデモに参加することと同じくらい立派で尊い人権活動」
  • アムネスティ日本の組織変革の行方を、大福さんや支持者たちが注視している