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山形中学1年生マット死事件 “元少年”は「損害賠償を払いたくない」 被告の“逃げ切り”が可能な制度の...

要約:

■ 1. 事件の概要

  • 1993年1月13日、山形県新庄市立明倫中学校1年生の児玉有平さん(当時13歳)が体育館用具室の体操用マット(高さ1.2メートル)に頭から押し込まれ窒息死した
  • 逆さの状態で約3時間苦しんだとみられ、脛まで埋まった状態で発見された
  • 当時、元少年7人が逮捕・補導された

■ 2. 民事訴訟の経緯

  • 訴訟の流れ:
    • 2002年: 山形地裁が遺族の請求を却下(元少年たちの自白は信用できず、7人による行為と認定できないと判断)
    • 2004年: 仙台高裁が一転して元少年7人の共同不法行為を認め、総額5760万円の支払いを命令(原告側逆転勝訴)
    • 2005年9月: 被告側の最高裁上告が棄却され高裁判決が確定
    • 2016年: 賠償請求権の消滅時効を防ぐため、行方不明の3人に対して第2次訴訟を提起
    • 2024年11月(昨年): 再び時効が迫ったため、3人を相手に第3次提訴
    • 2025年7月15日(今年): 山形地裁が3人に対し賠償金と遅延損害金、計1億1260万円の支払いを命令
  • 父・昭平さんが訴訟を継続する理由:
    • 民事で勝訴することだけが目的ではなく、一人の少年が7人の行為で命を落とした事実を裁判所の判決として確定させることに意義がある
    • 給与差し押さえを通じて元少年に有平さんの死を継続的に想起させ、自己の行為と向き合わせたいという「一縷の希望」がある
    • 33年間で謝罪の言葉を受けたことが一度もない

■ 3. 賠償金回収の実態

  • 探偵を使って勤務先などを調査し、給与差し押さえが実行できたのは4人のみ
  • 4人からは毎年300万〜400万円を回収しているが、残る3人は勤務先・財産が不明で差し押さえできていない
  • 遺族側はこれまでに印紙代や弁護士報酬など数百万円以上を自己負担している
  • 被告側は日弁連の活動資金があるため裁判費用を負担していない

■ 4. 制度上の問題点

  • 弁護士・上谷さくら氏(『犯罪被害者代理人』著者)の解説:
    • 裁判所の命令があっても賠償金の支払いは自動的に保証されない
    • 相手が無資産の場合は回収の原資がなく、財産を他人名義にしていれば差し押さえができない
    • 制度上「財産を持たない人やうまく隠している人が最強」という状態になっている
    • 「被告の代わりに国が支払い、国が被告から回収する」制度の創設を求める犯罪被害者遺族の声があるが、現時点で実現の見通しはない

■ 5. 元少年・その家族の反応

  • 現在会社員の元少年(3人のうち1人)の発言:
    • 「払いたくはない」「逆に損害賠償請求したいくらい」と発言
    • 「やっていないのに払えと言われている」という立場を主張
    • 弁護士から法律上の支払い義務と差し押さえの可能性を指摘されており、差し押さえにより生活が困窮することを懸念している
  • 別の元少年の母親の発言:
    • 賠償金の支払いは「本人に任せている」とし、収入が不安定であることを理由に挙げる
    • 「本人がやっていないと言っているのに支払ったら、信じていないということになる」として、代わりに支払う意思を示していない

■ 6. 父・昭平さんの現在

  • 喜寿(77歳)で、前立腺ガン全摘出や心不全による入院など健康上の問題を抱えている
  • 夢に有平さんが頻繁に現れるといい、「死んだら有平に会える」という心境に至っている
  • 有平さんの四十回忌(あと6年後)まで法要を務めることを親としての責務と考えている
  • 「今できることを先送りせず、後悔しない生き方をすれば有平も喜ぶ」という思いで戦いを続けている

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