■ 1. 骨太の方針と社会保険料率引き下げ
- 骨太の方針での社保料引き下げ:
- 高市政権が骨太の方針で現役世代の社会保険料率引き下げを明記する方針を決めたと報じられた
- 維新の要求:
- 連立を組む日本維新の会が現役世代の負担軽減を求めている
- 高齢者医療費の窓口負担を原則3割にすることを要求
- 社会保障負担率を2030年代半ばまでに16%台に引き下げる数値目標を要求
■ 2. 社会保障負担率とは
- 定義と算出方法:
- 医療や介護など社会保険料の負担の重さを示す指標
- 個人や企業が負担する保険料を国民所得で割って算出する
- 現状の数値:
- 財務省によると26年度の負担率は17.6%の見込み
- 16%台への引き下げには国民所得を増やすか社会保険料を減らすかしかない
- 国民所得が横ばいの場合、3兆円程度の保険料負担軽減が必要になる
■ 3. 負担率引き下げの困難さ
- 医療介護費の増加:
- 高齢化や医療の高度化で医療費・介護費は今後も伸び続けるのは確実
- 保険料抑制の代償:
- 保険料負担を抑えようとすれば、巨額の公費投入か大幅なサービスカット・自己負担増しかない
■ 4. 医療費・介護費の自己負担をめぐる主張
- 現行の医療費自己負担割合:
- 現役世代は3割
- 70-74歳は原則2割
- 75歳以上は原則1割
- 維新の主張:
- 世代にかかわらず平等に3割負担にすべきと主張
- 介護保険についての主張:
- 利用者負担は原則1割
- 一定以上の所得がある2割負担対象者の拡大を要求している
■ 5. 自民党の板挟み
- 有権者構成による制約:
- 65歳以上の年金生活者は有権者の3人に1人を占める
- その反発をおそれる一方、改革政党として若者や現役世代の期待も裏切れない
- 結果としての曖昧な表現:
- 板挟みの結果「目標の検討」という奇妙な日本語になったとみられる
■ 6. 再分配の仕組みとデータで見る所得減少
- 再分配とは:
- 国家が国民から税や社会保険料を徴収し、年金や医療費として分配する仕組み
- 労働で得た収入を一次の分配とすると、これは二度目の分配にあたるため再分配と呼ばれる
- 再分配所得(当初所得)の推移:
- 厚労省の所得再分配報告書によると2021年の平均は423.4万円
- 23年には384.8万円に減少
- わずか2年間で9.1%、38万6000円の減少
- 減少の要因:
- 年金生活に移行する人が増えているためとみられる
- 年金は再分配後の所得にあたり、再分配前所得(当初所得)には含まれない
■ 7. 高齢化がもたらす世帯所得減少という構造問題
- 労働市場からの退出と総所得:
- 高齢化により労働市場からの退出が進む
- 企業がいくら賃上げしても世帯の総所得は減っていくという不都合な現実がある
- 実質賃金の動向:
- 日本は実質賃金が4年連続でマイナスとなり家計を圧迫していた
- ようやくプラスに転じつつあり、これ自体は朗報とされる
- それでも残る負担:
- 世帯所得全体は減っていくため、年金や医療費などの再分配、すなわち現役世代の負担で補う必要がある
■ 8. 政治による解決の限界
- 構造的問題としての位置づけ:
- これは日本社会の構造的な問題であり、政治や政策でなんとかできる話ではない
- 政治家の対応:
- だからこそ政治家は必死に「やってる感」を演出しようとするとみられる