■ 1. 想像可能な「野党のいない政治」
- 自民党一色の政治報道:
- 日本の政治報道は基本的に、ずっと与党の中心を占めてきた自民党を扱ってきた
- 野党政治家が週刊誌記事のトップを飾るのは、ごくたまに起きるスキャンダル程度しかない
- 有権者の野党認知:
- 一般庶民は自民党はそこそこ知っているが、野党は選挙のときに思い出す程度である
- 新興政党が現れては消える近年の状況下で、野党の認知度はますます低下している
■ 2. 中道改革連合の結成
- 総選挙後の勢力図:
- 今年2月の総選挙で自民党が歴史的圧勝を遂げ、野党の存在感はますます希薄になった
- 衆議院野党第一党は、公明党と立憲民主党が合同した中道改革連合で、50議席程度を有する
- 立憲と公明の連携協議:
- 昨年末より立憲民主党と公明党は連携協議をすすめていた
- 党勢が低落し刷新しなければ瓦解しかねない立憲と、連立政権から離脱し新たなパートナーを探していた公明党の思惑が合致した
- 高市総理の電撃解散:
- 連携に危機感を抱いた高市総理が今年1月に電撃的な解散を打った
- 立憲と公明は慌てて衆議院だけを合流し、中道改革連合を結成して総選挙に挑んだ
- 結果は惨敗だったが、1000万票を獲得したこの新しい器を拠点に野党を再建していくと思われていた
■ 3. 合流の破談
- 立憲の躊躇:
- 参議院と地方議員が残されていた立憲民主党は、総選挙の惨敗を受けて合流を躊躇するようになった
- 以後半年間、衆院と参院にまた裂き状態の公明党は統制の維持に必死で、早期の合流を促していた
- 今月28日の通告:
- 立憲が「やっぱり合流できません」と中道、公明に通告し、合流は破談となった
■ 4. プロセスへの無関心
- 有権者とメディアの反応:
- 有権者は結果をみるのであって、こうしたプロセスには興味がない
- 実際、週刊誌もこのプロセスにほぼ関心を示していない
- 予想される報道と読者の反応:
- 来週の週刊誌は、立憲民主党の無能さをはじめとする中道改革の混乱を面白おかしく取り上げる
- それを読んだ読者が「結局野党ダメじゃん」とさっさと頁をめくる姿が目に浮かぶ
■ 5. 2026年体制
- 解体後の野党第一党:
- 中道改革連合が解体し、衆議院議員が立憲系と公明系に分かれた場合を想定する
- 野党第一党は28議席の国民民主党と、同じく28議席の公明党になる
- 野党第一党が28議席しかない事態は、戦後初である
- 55年体制:
- 1955年の保守合同以降、自民党が過半数をもち、社会党が4分の1程度をもつ体制を指す
- ネオ55年体制:
- 2010年代の、自公政権が過半数を維持し、立憲民主党が4分の1程度をもつ体制を指す
- 2026年体制:
- 自民党が3分の2の議席を獲得し、あとは20議席程度の野党が散在する体制になりかねない
■ 6. 野党消滅がもたらす腐敗
- 存在感の喪失:
- 55年体制、ネオ55年体制では、野党第一党は週刊誌に取り上げられ、駄目だと言われながらも存在感があった
- 2026年体制では取り上げられることもなくなり、駄目とすら思われなくなるかもしれない
- 与党の変質:
- 自民党は政権陥落の心配が一切なくなり、結束よりも内部の権力闘争に専念していく
- スキャンダルがいくら出ても、代わりがいないから平気になる
- 野党の抑止機能:
- ダメな野党でも、存在していたから与党は襟を正さなければならなかった
- 野党がいなくなれば、政府与党は腐敗していく
- 中道改革連合の解体は、日本の議会制民主主義が壊れゆく引き金になりかねない
- 被害を負うのは国民:
- 来週の週刊誌では、なにもやらずダラダラ時間を浪費した立憲執行部の醜態が暴露される
- しかし、かれらの無能の被害を被るのはわたしたち国民である
■ 7. 公明党への要望
- 大局的判断の要請:
- 公明党は、立憲民主党が約束を破ったことに怒り心頭だろう
- しかし愚かな立憲を見捨てることが、衆院野党第一党の解体につながり、議会制民主主義の破壊に加担することを自覚してほしい
- 個々の政党の利害ではなく、日本の民主主義を守るという観点からの大局的判断をしてほしい
- 報じられることの価値:
- 「ダメな政党だな」とあきれられても、まだ読んでもらえるだけマシである