■ 1. 意見表明の理由
- 作品におけるみいちゃんの位置づけ:
- マンガ中でみいちゃんに障害があるとは明言されていない
- 描き方や作者の発信からは、知的障害や発達障害があると推測できる
- そのため、このマンガに関するネット上の様々な意見に関心を持ってきた
- 意見表明に至った二つの要因:
- 障害のある人を守る立場から当協会に意見を求める声が届いていること
- 「みいちゃん」が障害のある子を揶揄する言葉として使われる現実があること
■ 2. 現実に起きていること
- 揶揄語としての使用:
- 全国手をつなぐ育成会連合会の意見書に、複数の事例が報告されている
- 「みいちゃん」が知的障害や発達特性のある女性を揶揄・侮辱する言葉として使われている
- きょうだいへの影響:
- 自閉症の兄弟を持つ子が、学校でからかわれると心配しているとの報告が当協会に届いている
- 当事者と家族の反応:
- マンガを読んだ当事者や家族から不安感・不快感が寄せられている
- 意図の有無とは無関係な現実:
- 作者や出版社に差別する意図がなくても、このようなことが生じている現実は無視できない
■ 3. このマンガの問題点
- 困難が収益の材料にされたこと:
- 本来最も重く扱われるべきだった夜職にまつわる問題が材料として扱われた
- 貧困や障害という現実に存在する困難が、商業的な成功(収益)のための材料として扱われた
- 表現手法の問題:
- 不幸なみいちゃんを「さらりとしたタッチ」で表現したことが、揶揄する言葉に使われることにつながった
■ 4. 不幸を材料にしてしまった経緯
- 作品全体の構造:
- 最終話まで読むと、全体はみいちゃんと山田さんという二人の絆の物語である
- 話のほとんどを占めるみいちゃんの経過は、山田さんが亡くなったみいちゃんと約束した追悼のマンガ、つまり劇中劇と理解した
- 構造を踏まえてもなお残る問題:
- そうであっても、作品の大半は徹頭徹尾「みいちゃんに何が起きるか」を描いている
- 作品の大部分を占める「みいちゃんの受難」が評価の対象になるのは自然な反応である
- YouTubeチャンネルでの発言:
- 講談社ヤングマガジン編集部の公式YouTube「ヤンマガ日常ch」の企画中で本作品に触れられた
- 「みいちゃんが可哀想な目に遭うのを見たい」「この世界の底を見てみたい」というテロップが表示された
- 「人が堕ちていく様を見たいと思わせるみいちゃんのキャラ」というテロップも表示された
- 当該動画は8月1日に非公開化された
- 編集部の言及が示す事実:
- 編集部自身が、山田さんではなくみいちゃんの経過を論じている
- 本作が「山田さんによる追悼」ではなく「みいちゃんの悲劇」として世に受け取られた証拠である
- 弱い立場の人物が搾取され転落していく様が、娯楽として読まれたことの何よりの証拠である
- 「リアルみいちゃん」アクリルスタンド:
- 出版社は、涙を流し半裸の姿のみいちゃんのアクリルスタンドを「レア景品」として抽選プレゼントにした
- 出版社自らが不幸を商業的な価値で見ていると言わざるを得ない
- 作者の寄り添う気持ち:
- マンガ家志望の山田さんは、誰も訪れないみいちゃんの墓に毎年お参りする
- みいちゃんを救えなかった山田さんを通して、作者の寄り添う気持ちが象徴されているように感じる
- それでも生じた受け取られ方:
- 出版社と作者の姿勢からは、「弱い立場の人の不幸を娯楽化する」ものとして読まれた
- その結果、障害者やその家族に不快感を与えることになった
■ 5. ネット配信先行のリスク
- 監修機能が働かなかった可能性:
- このマンガはネットでの配信が先行したものであった
- 従来であれば、出版社の蓄積された監修やリスク回避機能が組織的に働いたはずである
- 監修が特に必要だった事情:
- この作品は作者のデビュー作だとされている
- デリケートなテーマを扱っていることから、なおさら監修が求められた
- 出版社への要請:
- 出版社はネット配信時代の監修体制を整える必要がある
■ 6. まとめ
- アニメ化への危惧:
- 年齢制限を設けることや、誰もが視聴できる地上波でなければ良いとは考えない
- このマンガの関係者の文化のもとでアニメ化されることに強い危惧を抱く
- 求める理解:
- 障害のある人への揶揄や侮蔑、そのきょうだいや家族へのからかいが起こらないようにすること
- 貧困や障害という現実の困難を、収益や他人の不幸をおもしろがる材料とせず、必要な支援につなげること