/note/social

裁判傍聴マニアだが不同意性交等罪がどんだけヤバイ法律かを書く

大学はちゃんとそっち系、裁判傍聴歴四半世紀くらいになるんだけど

ここ数年、不同意性交等罪の法律改正されてから、結構事件になってるのをよく見る

この事案だけで8件は裁判を傍聴したのだが、「いやこれガチで悪法じゃね?」ってくらい始めてみたくらいヤバイ点がいくつかあるので書きたい。

まぁ当然法曹界というか、検察・警察側でも問題にはなってそうではあるけども…

不同意性交等罪とは何か?から書くと6分割くらいになりそうなくらい長くなるので、そこは割愛する。自分たちでウィキでも見てくれ。

・構成要件の曖昧のわりに凄まじく重い量刑、特に「同意」の基準

まず犯罪証拠の立証には「明確性の原則」というものがある。

「刑法には処罰される行為が明確に定められていなければならない」というものだ。

ところがこの構成要件は「(8つの類型は定義されているとはいえ)同意しない意思を形成し、表明しもしくは全うすることが困難な状態」というとんでもなく客観性を欠いている。

なんせ内観(主観)を基にして類推で証拠を積み上げていかなければいけないからだ。

正直、これが軽犯罪法違反だとか、地域条例レベルのものなら、気軽に客観証拠レベルでも運用できるだろう、交通違反みたいなものだからだ。

しかしこの法律は「5年以上の有期拘禁刑」、つまり強盗罪や非住居への放火と同レベルの超重罪である。

一番の問題点で後述するが、こんな曖昧な類型で証拠証明しろなんて、それこそ冤罪の危険性が従来の比ではない位高いということだし、実際運用当初はかなり危ないところまでいった事件もいくつかニュースになってたりする。

この辺、実のところXでもここでも指摘してる人ら多いので、「おいおい真新しい事じゃねーじゃん」と思ってる人の方が多いのでここまでにしておく。一番のかなめは次の「運用体制」だからだ。

冤罪・誤認逮捕防止の対策を警察と検察の現場に丸投げしてる危うい運用体制。

少なくとも2026年9月現在、幸いな事に不同意性交等罪で致命的な冤罪や誤認逮捕で問題になった事案はない。

しかし、ネットレベルで検索しただけでも弁護士側からも「ここ数年は、逆恨みや美人局目的で女性がとりあえず被害届出して警察を動かしてやれ」という悪意あることをする件数は確かに増えている意見がちらほら出ている。

被害届を受理したら、警察官はまず事件性があるかどうかを捜査しなければならない。これが交通違反で切符切られる程度なら警察官が結構無理やりな事で切符切ってもムカツクなぁ、くらいで済むし、警察官もすみませんね、まあ運が悪かったと思って…といえば済む程度で終わる。

だが繰り返しかくが、気軽に出してくる被害届の罪状は、初犯で一発実刑確定の重罪である。物凄い慎重に精密捜査をしなければならなくなる。その時点で被害届を受理した所轄の警察の対応リソースは相当食われることになる。

誤認逮捕や、誤認取調べで書類送検なんてしちゃった日にはもう目も当てられない、冤罪被害者が一番つらいが、それ以上にほぼ確実に検察から不起訴で突っぱねられる。上司ごと怒られる。最悪出世に響く。誰も幸せにならないのである。

検察も同じだ、調書を揃えて裁判に臨んでも、裁判官が納得しない、というか実際、不同意性交等罪ではないが裁判で却下されて無罪なんてなった事例はそこそこある。

これで警察もだが、検察も「はい、次からは気を付けます、ごめんなさい」で済まないのだ。警察ならちゃんと起訴できる案件として送検して来いと1回くらいなら怒られるだけで済むだろうが、検察が裁判官に証拠却下されて無罪判決食らったなんて、恥で済むどころではない、

その検事はもう出世の見込みなんぞその瞬間なくなる。ヤメ検でもして食うくらいしかキャリアが残らない大失態である。いや、そんな経歴持ってる奴に刑事裁判の弁護頼もうなんて奴はいないから商売あがったりだ、それくらいの話である。

実際は検察も官僚組織である以上、終局処分には上司からの決裁もいるわけだから、その上司も致命的な被害を食らう。

なので物凄く捜査をする。たかがダメモトで通ったらいいな程度で気軽に虚偽申告をされるたびに、100%警察か検察でストップをかけなければならない手間が発生する。

でも警察官だって検事だって人間である以上、ミスはある。そのミスで冤罪が発生したら省庁巻き込んだ大問題に発展する。市民やマスコミや弁護士会からものすごい批判を受けるだろう。実際、冤罪事件の時の市民の怒りようと炎上度合いはSNSを見てれば半端ではない。

同じ量刑であれば、例えば強盗罪や非建造物への放火などがあるが、冤罪目的で狂言強盗をするとか、自ら家に火をつけて警察呼ぶなんていう狂人はいないことは当たり前の話である。どんな馬鹿でもやろうとするやつはいない。

絶対バレるし、何より強盗とか放火なんて物凄い悪事を現実行為として行う必要があるからだ。

しかし不同意性交等罪にはその手間がない、「不同意性交された」といって書類一枚書いて警察署に行けばいいだけなのだ。この気軽さも問題だが、これを実際に検事や警察官の現場で100%捜査で見抜いてストップをかけなければならない負担をこの法律を制定した連中は考えていない。

これがこの法律の最大の問題である。

不同意性交等罪が本来はどういうものか説明をしていないので、ネットの風聞や風説が止まらない結果、犯行度合いが年々凶悪化している。

検察や警察の一時対応の現場の努力でまだかろうじて運用が持ってはいるものの、本来法律の意図すべきところや、政府が考える恋愛や結婚の健全なありかたの法律のモデルを示さないせいで、

滅茶苦茶な風説がネットを飛び交っている。その結果「冤罪の危険になるかもしれないとか言われているのも全く恐れずに突っ込んでいく、本物の変質者や凶悪犯」が不同意性交等罪で逮捕され、裁判傍聴してるだけでもだんだんヤバイ犯行が増えてきている。

具体的に言えば、「一歩逮捕のタイミングが遅かったら、これ被害者殺害されてただろ」という様なレベルがかなり増えてきている。

正直、この辺の周知や発信が全くしない、冤罪防止や誤認逮捕や誤取調べ防止は、現場の努力でどうにかしろなんて丸投げしてる結果、まともな人間が恋愛を控えているだけならましな方で、

所謂「恋愛市場」に、一歩間違えれば殺人も辞さない本物の変質者・異常者みたいなのが入り込んできている。

これでは冤罪発生を誘発しているどころか、政府が能動的に美人局などの金目当ての反社や性犯罪殺人鬼を一般国民たちで構成される恋愛市場に呼び込んでいるようなものだ。

少子高齢化とか結婚率の低下以前に、凶悪犯罪の発生の心配をしないといけないレベルだ。

個人の自助努力や防犯対策でできることの限度を超えている。

これを個人でどうにかしてよ、と丸投げされるのはもはや責任と責務の放棄としか思えない。

少なくとも「不同意性交等罪が意図している正しい恋愛や結婚の在り方のモデルの提示」、「冤罪や誣告の頻発を防止し、検察や警察の現場をこれ以上疲弊させない方法」

最低でもこの二つは国がやってくれないと困る。

正直、こんな致命的な抜け穴のある法律、検察と警察現場の運用でカバーしてよという現行の状況は、狂っているとしか思えない。