■ 1. 前稿の主張:女子枠論争は世代間対立
- 女子枠支持の最大要因:
- 今の社会が男性優遇だという認識
- 認識の年齢差:
- 男女いずれでも50代〜60代で強く、20代〜30代の若年層で弱い
- 50代〜60代は社会を男性優遇と考え、是正策として女子枠を支持する
- 20代〜30代は社会を男性優遇と考えず、女子枠に批判的になる
- 全サンプルを対象とすれば、女子枠問題は世代間対立とみなせる
- その後、アカデミアと一般人の意見対立という別の対立軸を見出した
■ 2. 大学教員に限った場合の逆転
- 大学教員の定義:
- 現在常勤・非常勤の大学教員である人、または過去にその経験がある人
- 調査中の該当者は男性89人、女性92人
- 認識の水準差:
- 大学教員は一般人より、今の社会を男性優遇だと強く認識している
- 年齢傾向の消失:
- 大学教員では、若年層になっても男性優遇社会という認識は弱まらない
- 男性での傾向の逆転:
- 一般人の男性は若年層ほど、社会を男性優遇とは思っていない
- 大学教員の男性は若年層ほど、社会を男性優遇だと思っている
- アカデミアと一般人で年齢の効果が真逆になっており、極めて印象的
■ 3. 重回帰分析による検証
- 分析の前提:
- 大学教員のサンプルは男女とも100人弱で、頑健とは言いにくい
- それでも他の変数の影響を除いた標準化回帰で、統計的有意性は示せる
- 大学教員ダミーの効果:
- 有意であり、係数は女性で標準偏差0.946、男性で2.526と極めて大きい
- 他の変数の係数はすべて0.1以下で、大きさの違いは圧倒的
- 年齢効果との比較:
- 10歳あたりの変化は女性で0.106、男性で0.087
- 20代と60代の差に換算しても0.3〜0.4程度で、大学教員の効果に遠く及ばない
- 男性における年齢効果の逆転:
- 年齢と大学教員の交差項は−0.408で有意
- 一般人は10歳上がるごとに男性優遇社会の認識が0.087強まる
- 大学教員は逆に10歳あたり0.087−0.408=−0.321だけ認識が弱まる
■ 4. その他の変数の影響
- 女性における子供の性別の影響:
- 男の子がいると、男性優遇社会という認識が弱まる
- 女の子がいると、その認識が強まる
- 子供の性別効果の解釈:
- 男の子ができると男性視点で社会を見るようになり、必ずしも男性優遇でないと思い始める
- 女の子ができると女性の不利さを改めて自覚し、男性優遇社会との認識が強まる
- 正義度の影響:
- 正義度は有意に正であり、男性優遇社会という認識は正義度の高い人が支持している
- この認識が正義として主張されていることを示唆する
■ 5. 結論:アカデミア対一般の対立
- 一般社会の構図:
- 男性優遇社会という認識は若年世代ほど弱まりつつある
- 女子枠問題は、50代〜60代と20代〜30代の世代間対立とみなせる
- 大学教員の構図:
- 若年層でも男性優遇社会という認識は強く、世代間対立は存在しない
- 男性ではむしろ若年層の方がその認識が強い
- 女子枠論争には、アカデミアと一般との意見対立という対立軸がある
- 対立の原因:
- アカデミアが、一般人の気づかない男性優遇を見出している可能性がある
- 逆に、アカデミアが世の中の変化に取り残されている可能性もある
- 特に男性で年齢効果が真逆である点は衝撃的であり、原因には別途分析が必要
■ 6. 前稿の訂正
- インタビュー調査の偏りに関する記述の誤り:
- 前稿では、大学教員インタビューで50代〜60代が多かったことが偏りを生んだかのように述べた
- 大学教員には世代効果がないため、若手研究者に聞いても結果は同じだったと考えられる