■ 1. 2021年衆院選と左派路線の限界
- 立憲と共産の選挙協力:
- 2021年衆院選で立憲民主党は共産党と選挙協力し、野党候補を一本化して臨んだ
- 麻生氏が「立憲共産党」と呼び、このワードが広く使われた
- 議席の減少:
- 最大限の戦略を取ったにもかかわらず、議席は109から96に減った
- 敗北を受けて枝野代表が辞任した
- 直前の参院静岡補選:
- 衆院選直前の参院静岡補選では野党系の山崎真之輔氏が勝利した
- 川勝知事の「御殿場にはコシヒカリしかない」という発言が出たのはこの補選である
- 野党に勢いがあると見られたが、衆院選では敗北した
- 辻元清美氏の落選:
- 衆院選の小選挙区で落選し、その後参院選に転じて当選した
- 左派結集の限界:
- 左派で固まって選挙を戦う路線の限界が見えた選挙だった
- 取りうる最大限の手を打って議席を減らしたため、立憲・共産の左寄り路線は限界を迎えた
■ 2. 有志の会の結成と理念
- 結成の経緯:
- 2021年衆院選後、無所属議員により有志の会が結成された
- 代表は吉良州司氏
- メンバーは福島伸享氏、北神圭朗氏、仁木博文氏、緒方林太郎氏を含む5人
- 現実的な国家政策:
- 憲法、外交安全保障、エネルギー、経済安全保障など国家の根幹に関わる政策は現実的対応が重要とした
- これらの政策で政権と野党に大きな違いがなくても構わないとした
- 従来の野党への批判:
- 従来の野党は自民党との違いを強調しすぎ、政権担当能力がないと思われたとした
- 反対だけの野党に政権担当能力はないという立場
- 中道保守の標榜:
- 自民党に代わる現実的な中道保守政党を目指した
- 生活者視点と将来世代優先を掲げた
- 現在の中道勢力と路線が同じで、それを先取りしていた
- 国会での是々非々の姿勢:
- 維新や国民民主と憲法審査会で協力した
- 一方で野党として岸田内閣の法案に反対することもあった
- 抵抗野党とは異なる、どちらにもつく立ち位置だった
■ 3. 有志の会の縮小と消滅
- メンバーの離脱:
- 仁木博文氏は2023年に自民党に入党した
- 北神圭朗氏は2026年衆院選の前に自民党入りし、自民党議員として当選した
- 2026年衆院選での落選:
- 吉良州司氏と福島伸享氏は高市旋風の中で落選した
- 生き残ったのは緒方林太郎氏のみで、会派としての有志の会は消滅した
- 自民党との差異の乏しさ:
- 自民党との違いがあまりに小さく、自民党へ移る議員が出た
- 緒方氏の無所属での挑戦:
- 2024年衆院選で、無所属での挑戦は今回で最後にしたいと語った
- 結局2026年も無所属で出馬した
- 政党政治は団体戦であり、どこかに所属すべきではないかと考えている
- 5年での消滅:
- 中道を謳いながら、結成時の5人から一度も増えることなく減り続けた
■ 4. 泉代表期の立憲と提案型路線
- 泉健太氏の代表就任:
- 枝野氏の敗北後、泉氏が立憲民主党代表に就いた
- 提案型を掲げ、追及一辺倒ではない国会審議のあり方を模索した
- 枝野路線から転換し、対決型を控える方向を目指した
- メディアの責任:
- 追及しない弱腰の野党第一党でよいのかという論調が広がった
- 毎日新聞を含むリベラル系メディアが、もっと反対しろと野党に求めた
- こうした論調が泉氏を追い込んだ面があり、メディア側は反省すべき
- 有志の会との近さ:
- 泉氏の立場は元々有志の会と近かった
- 泉氏は旧国民民主から立憲に移った経緯がある
- 旧国民民主の支持率がブレイク時のように高ければ、泉氏が旧国民側に残った可能性もある
■ 5. 中道を掲げる勢力の乱立
- 中道を謳う政党・会派の多さ:
- 国民民主党も基本理念で「改革中道政党」を掲げている
- 中道を公式に掲げる政党や会派が多すぎる状況にある
- 中道へのベクトル:
- 各党の多くの議員が中道を目指すべきだと考えている
- 安保政策やエネルギー政策で、より左寄りの議員も各党内に存在する
- 議席を伸ばしたのは国民民主党のみ:
- 中道を掲げる勢力の中で選挙で議席を増やしてきたのは国民民主党だけ
- 中道改革連合は議席を減らした
■ 6. 民主改革の会と今後の野党政局
- 有志の会の今後:
- 政党化や仲間づくりは今後の野党政局次第
- 有志の会自体が大きくなるイメージは現時点ではない
- 民主改革の会の性格:
- 衆議院の中道改革連合から立憲系議員が離れて作った政党で、中身はほぼ中道のコピー
- 議員の中にも暫定的な政党だという認識がある
- 臨時国会までに体制を整えるために作られた
- 民主改革の会の分岐の可能性:
- 中長期的に立憲民主党へ戻りたい議員がいる可能性がある
- 別の中道勢力の結集を模索する議員がいる可能性もある
- 国民民主党が関与するシナリオもありうる
- 泉氏の動向:
- 泉氏は国民民主に戻るのかどうかを長く取り沙汰されている
- 2人会派を作ったが、国民民主党がすぐに受け入れるとは考えにくい
- 玉木氏と泉氏は元々関係が良いとされる
- 玉木氏と緒方氏の関係を指摘する声もあるが、詳しい経緯は不明
- 臨時国会後の再編:
- 10月5日から始まる臨時国会は現体制で臨む
- 参院立憲との連携や消費税、議員定数などの審議を踏まえ、閉会後に体制が問われる
■ 7. 立憲の再結集論と野党の混迷
- 水岡代表の発言:
- 立憲民主党の水岡代表は、民主改革の会の議員の個別受け入れにとどまらない方針を示した
- 周囲の仲間と共に戦える塊を目指すと述べた
- 民主改革の会との合流も選択肢の一つとなる
- 合流しなかったことへの疑問:
- 民主改革の会にも立憲に戻りたい議員がいる
- 参院立憲が当初から合流していれば、民主改革の会は生まれなかった
- 結局は公明党と一緒になるのが嫌だったということになる
- それでいて選挙では協力してほしいという姿勢になっている
- 分かりにくい野党:
- 結局何だったのかという混乱した野党の状態は今後も続く