■ 1. ヤンデックスの位置づけ
- ロシア最大のIT企業:
- 「ロシアのGoogle」とも呼ばれる存在
- 検索、地図、メール、タクシー配車、フードデリバリーを手がける
- 音楽配信、音声アシスタント「アリス」、Yandex Cloudも提供する
- ロシア社会の基盤:
- ロシアの日常生活とビジネスの基盤になっている
■ 2. 4日間で大型データセンター3カ所が被災
- 攻撃の経過:
- ロシア国内の大型データセンター5カ所のうち3カ所がドローン攻撃を受けた
- 10月8日にリャザン州サソヴォ、9日にカルーガ州カルーガが攻撃された
- 11日にウラジーミル州ウラジーミルが攻撃された
- 残る2カ所はモスクワ州のムィティシとイヴァンテエフカ
- サソヴォ・データセンターの規模:
- ロシア最大級の施設で、ウクライナの攻撃ドローンにより炎上した
- 35MW超の施設で、2021年までに約2,700基のNvidia A100 GPUが置かれていたとされる
- これらのGPUは制裁でロシアのIT部門が締め出される前に輸入されたもの
- ヤンデックス公式の発表:
- 10月7日から8日にかけての夜、サソヴォのデータセンターが無人機攻撃で深刻な被害を受けた
- サソヴォの稼働は完全に停止した
- 翌朝にはカルーガのデータセンターも攻撃され、インフラの一部が故障した
- ウクライナ側の受け止め:
- モスクワが止まり、ヤンデックスが落ちたとウクライナの活動家が発信した
- タクシーは呼べず、配達は動かず、「アリス」も不具合を起こしている
- ロシア防空への疑問:
- 4日間で3カ所も破壊されるのに、ロシア防空は何をしているのかという疑問が出ている
■ 3. ロシアのネットと企業活動の混乱
- 西側に例えた現状:
- Googleの物理サーバーの過半が破壊された状態に相当する
- GmailをはじめGoogle Workspaceがオフラインになった状態に相当する
- B2B向けのGoogle Cloudが応答しない状態に相当する
- ビジネス停止の報告が多く、残りの物理サーバーも半分を切っている
- 制裁のため復旧の見込みが立たない
- Yandex Cloudの再ダウン:
- 10月11日のモスクワ時間4時53分以降、Yandex Cloud(AS200350)が再び落ちた
- 8日の攻撃後も応答していた部分のうち、さらに半分以上が失われた
- ステータスページでは2つ目のゾーンru-central1-aで電源障害が発生し、84サービスが利用不能
- 復旧の見通し:
- チップ不足のため、データセンターは少なくとも2028年まで復旧できない見込み
- 新サーバー向けの大量の高速メモリとアクセラレータをどこからも調達できない
- 企業への影響:
- ヤンデックスのクラウドに頼っていたロシア企業では業務が止まった
- ある企業では朝から静かなパニック状態となり、何ひとつ動かなくなった
- 自社サービスも取引先のサービスも、データベースを含めて消失した
- 家庭への影響:
- スマートホームが完全に麻痺し、ローラーシャッターすら上げられなくなった
- 照明のシナリオも動かず、手動での起動方法を調べる必要に迫られた
■ 4. 副産物としてのボット減少
- 日本のTLでの変化:
- ヤンデックス被災後、TLに流れてくる政治バトルが激減した
- 自宅サーバへの攻撃も有意に減った
- Cloudflareのデータ:
- Cloudflare Data Explorerによると、ロシア発のボット通信が49%まで減少した
- ただし攻撃との因果関係は未確認
- 米国の中間選挙への影響工作を妨げる可能性も指摘されている
- ウクライナ側の見方:
- ロシアのボットの活動が目立って減っている
- 「治療的な」ドローン攻撃がプーチンの熱狂的支持者に数日の追加休暇を与えたと皮肉られている