■ 1. 報じられない共産党の縮小
- 限界政党化する共産党:
- 駅前でビラを配る顔ぶれは何年経っても変わらず、年齢だけが上がっていく
- 来年1月の党大会を前に党員拡大を叫んでいるが、党員も赤旗読者もピーク時から激減している
- メディアの沈黙:
- 新聞やテレビは党の内輪の話だと言わんばかりに、この縮小を正面から扱わない
- 沈黙の裏には、共産党ではなく報じる側の事情が3つ重なっている
■ 2. 赤旗スクープへの依存
- 裏金問題の発端となった赤旗報道:
- 2022年11月、自民党主要5派閥のパーティー収入の不記載を赤旗が報道
- 上脇博之神戸学院大学教授の告発を経て、東京地検特捜部の捜査につながった
- 全国紙とテレビ各局の本格報道は、初報から1年後の2023年11月の捜査着手から
- 同月、岸田文雄首相が衆院予算委員会で赤旗の報道に言及
- 桜を見る会の問題:
- 2019年に赤旗が報じたことが発端
- 依存の構図:
- 全国紙とテレビ各局は政権を揺るがすニュースの入り口を赤旗に頼ってきた
- 赤旗の衰えを報じれば、自らの情報の細りを認めることになる
- 政権監視の入り口が一党の購読料に支えられている事実を、国民は知らされていない
■ 3. 同じ傷を抱える新聞業界
- 新聞業界の縮小:
- 日本新聞協会の調査で、総発行部数は2000年の約5370万部から2025年の約2486万部へ半減
- 2025年8月、朝日新聞、産経新聞、毎日新聞が土曜日の夕刊を廃止
- 配達を担う販売所の働き手も高齢化が進行
- 赤旗との共通点:
- 赤旗の主な読者は高齢の党員
- 新しい読者が入らないまま自然に減っていく点は全国紙と同じ
- 議席減と部数減の扱いの差:
- 2025年参院選で共産党が改選議席を大きく減らした際、日本経済新聞は議席減を記事にした
- 議席の後退は他党の不振として遠慮なく書ける
- 紙の読者の後退は、同じ物差しを当てると自紙の数字と比べられるため口が重くなる
■ 4. 明るい数字だけを拾う報道
- 党が公表する厳しい数字:
- 党勢拡大の結果を毎月の赤旗に掲載している
- 2026年9月3日の第9回中央委員会総会で、8月の新規入党者は419人で目標の7%と小池書記局長が報告
- 日刊紙と日曜版も揃って読者を減らしている
- 小池氏は「このままでは発行の現実的危機に直面する」とまで述べた
- その1ヶ月前、田村智子委員長は9月末までの中間目標を非現実的として引き下げた
- 各社の見出しの選び方:
- 時事通信は同総会の記事で、党大会の日程と綱領改定を見出しに据えた
- 2026年5月の共同通信の配信記事は、赤旗電子版の購読増と党勢回復への期待を見出しに掲げた
- 同記事は読者の減少を本文で触れるにとどめた
- 想定される反論への応答:
- 党が数字を控えめにしか出さないから書けない、という反論は成り立たない
- 党は入党者数や読者の増減を毎月紙面に載せている
- 党が自ら赤字の帳簿を開いているのに明るい数字だけを拾うのは、党の広報の手伝いと大差ない
- 材料を持ちながらの不報道:
- 全国紙とテレビ各局は縮小を報じる材料を手元に持っている
- 自らの判断でそれを見出しの外に置いている
■ 5. 見出しの外に置かれた帳簿
- 赤旗と党の財務・規模:
- 赤旗日刊紙の赤字は、当時の説明で年間10数億円
- 党は2025年1月に10億円の募金を呼びかけた
- 日刊紙と日曜版の読者は2025年7月から2026年8月まで一度も前進していない
- 党員は1990年の約50万人から2024年の約25万人へ減少
- 赤旗は1980年に350万部超だった部数が、2025年には約77万部まで減少
- 封じ込め論への反論:
- 志位議長は後退の背景に、共産党を封じ込めたい支配勢力の動きがあったと語る
- 本当に封じ込めたい勢力がいるなら、この数字こそ大見出しにしているはず
- 沈黙が揃う理由:
- 示し合わせた結果ではない
- 同じ帳簿の重みを知る者同士の計算が同じ答えに行き着いた結果
- 「党の内輪の話」の意味:
- 赤旗の衰えを書けば自社の内輪まで書かざるを得なくなる全国紙が、口をつぐむ時に使う言葉
- 国民は今後も、限界政党の行く末を、数字を見出しにしない新聞越しに眺め続けることになる