そもそも取材っていうのは、「記者さんに話すことなんて何もないよ! さっさと帰んな!」と塩まかれんばかりに追い返されても、めげずに通い詰めて、「あんたもしつこいねえ、何が聞きたいんだよ」って言われるのを突破口にして取材源とルートを作ったり、地道に集めた情報からストーリーを組み立てたり公にされている資料(たとえば政治資金の報告書とか、土地の登記簿とか)を徹底的に読み込んで、怪しいところをあぶりだしたうえで、相手にぶつけて「そこまでわかってるんじゃあ、しょうがないなあ」と言わせたり、「あんただったら信用できるからいうけれど、実はね・・」と言われるようになるまで実績を積み上げたりすることだ。
大体、「報道に値すること」ってのは、「相手が積極的には話したくないこと」の中に潜んでいるのが通常だし。(相手の話したいことを「はいはい、おっしゃる通り」って聞いてきて、広く伝えるだけでは、ただの「マスコミ(マスなコミュニケーション)」とか「パブリシティ」に過ぎない)
堀某とか、長谷川某とか、「報道に携わってきた」とかいう自負のあるらしい「アナウンサー出身者」が「ジャーナリズムとは」とか語りだすと、ものすごぐ薄っぺらくて胡散臭いのは、多分そういう、「地道な取材」なんか、ほとんどやったことないくせに表面的なところだけで、語り出すからだと思う。
いや、「僕らも取材してきた」とかいうんだろうが、どうせ、会社や組織の看板とアナウンサーとかいう肩書を背負ったまま、正面から広報に電話かけて「○○についての企画をやるんで、お話きかせてくださ~い」とかいって、話聞いてきたのをこぎれいにまとめてしゃべっただけだろ?
そもそも「アナウンサー」って職責は「地道に取材する」んじゃなくて「地道に取材してきた結果をまとめたものをわかりやすく伝える」ものであって、最期の仕上げのコーティングに過ぎない。
もちろん、それはそれで、大事な仕事だろうが、コーティングの経験しかないくせに、中身全部わかったようなしたり顔されてもねえ。
確かにアナウンサーはジャーナリストではないよな。