ピンと張ったゴムの膜で例えてみましょう。このゴムの膜が時空だと考えます。そのゴムの上にちょっと重い玉をボヨンっとおいてみるとどうなるか、ゴムは玉を中心にしてビローンと下に向かって伸びてしまいます。これが「質量を持ったもののまわりの時空が歪む」ことに対応します。
次にもう1個、重い玉をおいてみましょう。すると2個の玉はお互いが作ったゴムのへっこみに落ちていくようにするすると近づいていって、最後はゴツンと衝突します。これは「お互いに重力が働いて近づく方向に動いていく」ことに対応しています。
最後に、重い球を手でつまんでゴムの上でぐるんぐるん回してみて見ましょう。ゴム膜はビロンビロン動いて波立って、ゴム膜のはじまで伝わっていきます。これが「時空の歪みが波となって伝わる重力波」というわけです。
この重力波が見えるとなにが嬉しいのでしょうか。まず、アインシュタイン博士の「一般相対性理論」が正しいかどうか、あらためて検証することができます。
一般相対性理論はGPSなど日常生活で利用されているくらいに普及している理論ですが、それに間違っている部分がないかどうか、確かめることはとても大事なことです。
次に、今までの宇宙の観測は光に頼ってばかりのところがありましたが、その観測に重力波を使うことができるようになります。光では宇宙の晴れ上がり以前の宇宙を見ることはできなかったところが重力波を使えばもっと昔の状態を見ることができるかもしれませんし、ブラックホールのような重い天体を重力波で観察することで今まで見えていなかったものが見えるようになるかもしれません。