ここでは筆者が「相対主義」を標傍する人たちにありがちだと感じている悪しき振舞いを箇条書きしておきます:
科学理論の内容に深く触れることをせず (理解してないからできない)、相対主義的な半可通の哲学を持ち出すことによって、その科学理論は絶対ではないという陳腐な意見を述べ続ける人。そのような人は、ある種の科学論の本によく見られるような、一見過激に見えるが、実は常識的でつまらないことしか言ってない。
相対主義を強く標傍しておきながら、自分自身がよって立つ基盤については全く無批判な人。相対主義を強く標傍する人は、他人から見ると、あらゆる物事を一望のもとに見渡した上で、あらゆる考え方は相対的である、と言っているように見える場合が多いものです。表面的には相対主義の平等主義者のように振舞いながら、裏では自分だけが特権的な立場に立っているとみなしているような奴は、嫌われても仕方ありません。
あらゆる主張を正当化するためのレトリックとして、“相対主義” (?) を用いる輩。これは最も悪質。「あなたの批判は絶対的に正しいわけではないのだから、私の意見は正しいのだ」という型の議論をする馬鹿を見たことはありませんか? 「あなたの主張は誤りである」と批判されたときに、「私が誤っているということをあなたは絶対的に証明することはできない」という当然の認識論的な結論を持ち出して、あたかも自分の主張に意味があるかのように見せかけるというのは典型的です。
ふむ