日本の「左派」の人たちが理解しきれていないように見えることは、現代日本の、とくに若い世代の「右派」の多くは、男女平等とか表現の自由とか、そういう「左派的価値観」はむしろ自明の前提とした上で、「その基準からすると、いまの自称『左派』の人の主張はおかしいよね」と言っているということ。
だから、「右派がリベラルの言説様式をいいように利用している」というよりも、「自覚なく右に寄ってしまった『左派』の人たちが、自分よりむしろ左にきた人たちのことを『右派』だと言って攻撃している」という側面も、たぶんにあるように思いますね。
もちろん、この場合には言われている人たちのほうも、自己認識としては「右派」だったりすることがしばしばであるわけですが。
社会は複雑化してるわけだし、前世紀の素朴なステレオタイプが現代に通用するわけがないということなのだろう。
冷静に考えると、男女平等や表現の自由といった思想が特定の集団の専有物であると思ってしまう思考が既におかしい。