おお、これです。まさにこれです。日本で男性として結婚に関わると起こることを端的に示している、我が国の結婚文化に特徴的な「おこづかい制」が何を目的として人間をどのようにしてしまうのか、というやつ。本当に怖いのは「お金がない」ことではなくて、「お金を使う決定権がない」こと。
いや僕も若い頃は「結婚したらおこづかい制だから大変だ」話は、単にお金がないから大変なんだと思ってたんです。でも周囲に結婚した人間が出てくる頃になると様子がちがうことに気づいて。月2万だ3万だと言っている人たちが、そんなおこづかいでは到底買えないはずの服や靴を持っていることに気づくの
月2万とかのおこづかいでそんなもの買えないのではないのか?という疑問。いろいろ聞いてみると、おこづかい制の実際というのは「お金がない」より「旦那のつかうお金を妻がコントロールする」という話。ちゃんと妻の許可が取れば高いものでも「買っていいよ」と言ってもらえる、とさらっと言われて。
もともと旦那のためにつかう予算というのはちゃんと服やら靴やらを買う分まで確保してあって、でも「何を買うか」「いつ買うか」を妻がコントロールするために運用されるのが「おこづかい制」であると。
完全に自律性や自主性をスポイルさせて意志を奪う隷従のシステムなんですよね。そんな状況で20年も30年もやってれば、そりゃ、世の中あんな「赤ちゃんみたいなおじさん」ばっかりになるわと思いました。僕がこの国で結婚するの怖いって、こういうことです。
こんなことが「当たり前」になってる国で結婚したら、自分が巷でよく見る「赤ちゃんみたいなおじさん」にされてしまうという恐怖。
正気かよ、、、と思って、いつもこの国を見てます。
いや「うちはおこづかい制じゃないよ」とかも多いと思うんですが(うちの父もそうだったし)、それよりも「まあ、おこづかい制もありだよねー」みたいな雰囲気がぞっとするんですってば。藤子Fで殺人がタブーではないパラレルワールドに迷い込む短編が有名ですが、あれの主人公の気分。
家父長制は男の脚を折って自分で立てなくする、みたいな話を前にしてましたが、たとえばこういうことです。偉そうな顔をしながら、何を着るかさえ誰かの許可と指示がないと選べない無力な人間にされてしまうということ。
言われてみればそうだな。恐ろしいシステムだ。