「江戸しぐさ」はなぜ道徳教材に残り続けるのか? 専門家は「偽りの伝統」と批判より
こうした状況の中、改訂作業を進めるも、差し替えなかったのが文科省だ。ここまで批判が強い、江戸しぐさをなぜ残すのか。担当する教育課程課に聞いてみた。
――教材を読むと、江戸しぐさそのものが事実であるとしか読めないように描かれています。批判があることを知っているなら、このような書き方をすべきではないのでは?
「道徳の教材は江戸しぐさの真偽を教えるものではない。正しいか間違っているかではなく、礼儀について考えてもらうのが趣旨だ」
――見直すべきではないでしょうか?
「既存の部分は見直す必要がないと判断している」
――事実でない教材で、礼節を教えるのは根本的にダメなのではないでしょうか。
「繰り返しになるが、道徳の時間は江戸しぐさの真偽を教える時間ではない」