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白饅頭日誌:3月11日「自衛の時代の夜明け前」

経済が悪化し、国への信頼が損なわれ、立場の弱い人びとが見殺しにされているのを目の当たりにすれば、自己責任論はますます強力になっていくだろう。この社会のあらゆる地域において共同体の解体が続いているいま、「やはり助け合いが大事だから共同体を再構築しよう」という時計の針を戻そうとする動きよりも、自分の安全をいかに確保するか、資産をいかに防衛するかを優先する、利己主義や個人主義をさらに拡大する方向(加速主義)へと、大半の人びとは舵を切ることだろう。

確かに国家や会社組織に期待するより己の自衛能力を育てた方がよいという考え方は根付きつつある。

エンジニアは元よりそういう気質が強いし、エンジニアでなくとも組織の論理より個人のスキルに重点を置く生き方の方が「普通」に思える。

そういう社会では弱者から駆逐されていくので多様性が失われるし、社会の先鋭化もしやすくなってしまうというリスクもあって、社会全体としてはあまり好ましくないのも事実ではあるのだが。