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マガジン限定記事vol.102「大いなる歴史の転換点」

しかし今回は、資本主義のルールの枠内で不況のメカニズムが生じたわけではない。むしろ「グローバル社会に依存していた資本主義が、そのセキュリティーホールをウイルスによって衝かれた」という表現がより適切だろう。いうなれば、グローバル資本主義・自由主義を前提とした世界秩序は現在のような事態を想定して設計されていたわけではなかったのだ。もっと砕けた表現を使えば「ウイルスのせいで、システムがバグってしまった」とでもいうべきか。

そして、今回のパンデミックのさなか、アジア人(黄色人種)に対して向けられた「本音」を、アジア人は永久に忘れることはないだろう。

自由・人権・平等・友愛などと謳ってきた人びとの建前など、「建前を守らなくてもよい」というお墨付きが社会に広がれば、まるで最初からそんなものが存在しなかったかのようにふるまうようになる。