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マガジン限定記事vol.133「みじめで恥ずかしい自分を肯定する」

「自分の間違い」を認めるべきときに、しかしまったく認めることなく生きてきた人間が年を重ね、いよいよ齢(よわい)が30にも40にもなると、見るも無残な有様になっている。往々にして、一切自分を省みずに生きてきたせいで技能的にも人格的にも大した成長もなく、そのくせ自尊心や全能感だけは超一流の逸材にも勝るとも劣らぬほど肥大化しており、周囲からは疎んじられる鼻つまみ者となっている。

その結果として「周囲のだれも認めたり褒めたり尊敬したりしていない自分の崇高さを孤独に守る」という《無為》としか言いようがない空虚な営みを続け、人生が空費される最悪のサイクルが完成してしまうのだ。

確かに、今までに出会った「どうしようもないオッサン」は己の間違いや無能さから正面から向き合うことを避けていた人達ばかりだった。