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「かわいい人に(後略)」というnote記事を送られた女の批判的感想文

友人から送られてきたのは、「かわいい人にかわいいと言うのは、僕としては結構ありえない」というnoteの某記事だ。

友人は同じ女性として私に共感して欲しかったようなことを言っていたけれど、私は彼女の望むような反応を返すことができなかった。共感できない部分がいくつもあったからだ。それでも本音の感想を述べるとケンカになると思ったので言わなかった。

新しく作ったはてなのアカウントなら、友人や知り合いに知られずに書けると思ったので、自分の感想の吐き出し口として書いておきたい。でないと考えが整理できそうにないからだ。

記事の内容をほとんど否定することになるかもしれないが、決してこの記事の筆者の方を叩きたいわけではない。ただ、男の1人である筆者の方と、女の1人である私から見ると、感じるところがまったく異なることが興味深かった。

書かれていた話題をピックアップして、個人の偏見にもとづく個人の感想を書くことにする。

思ったより長くなったが、もしも読んでくれる人がいれば嬉しい。

・10代の頃の会話について

正直、10代の頃の最低さなんて、男女も地域も育ちも関係ないと思う。ただ男女の傾向の違いは、異性に対する欲求が性欲に向くか、排除欲求に向くかの違いだと個人的には考えている。

キモい男子への私の周囲の女子の扱いは本当にひどいものがあって、無視だけじゃなくモーゼの周囲の海水のごとく遠巻き、話しかけられたら半泣きになって後から睨み「キモすぎ」「消えろ」「○ね」と罵倒、横を通ると机をどけて拭き取るなんてことをしていた。考えてみれば、彼は何も悪さはしていないのに。私は当時の友人たちを止めなかったことを悔やんでいる。たぶん忘れられない。でも同級生の女の子はもう忘れているかもしれない。だけどあのキモい男子はきっと一生覚えている。あの頃、彼が首を吊らなくて良かったと心の底から思う。

性的なものがタブーだと言うなら、そういう価値観を否定はできない。ただ、人としての一線を越えた言動が繰り返されていた事例は女子の間でもあった。10代ってそういう、人として最低なことを平気でやる人間が結構いる年代なんじゃないか? それは絶対に改善されるべきことだし、大人がそれを教え導いてやらないといけないと思う。社会や思想、性別と絡めるのは、ちょっと違うような気がする。教育って難しい。

・大学のサークルについて

記事に書かれていた理系大学と家政科系大学のサークルというのは、これは言いたくないんだけれど、正直、学歴格差を察してしまう。理系大生(男子メイン)は金の卵。対して家政科系大生(女子メイン)は将来的にそれほど稼げるのはごく一部なのでは?

つまりそのサークルは、女の子が将来稼ぎそうかつ普段出会いがなさそうな男の子を見定めにきた場なんだよね。男はもちろん、普段会えない女の子を漁りにきた場。男女ともに異性漁りの場なんだと思う。

それで「女の子が男に見た目ばっかり褒められるの可哀想」ってのは何だかなあ。だって女の子も自分の女としての価値と相手の将来性を交換する取引に来てるんだから。女の子がつらいと言っていたら「君に向いているところじゃないみたいだね」とアドバイスするくらいでいい。女の子の方も、不愉快なら、あるいはいい男がいなければ帰ったらいい。小さい子供じゃないんだから。私は陰キャなので全然行かなかったし、行く機会もなかった。

女の子たちが筆者に好意的だったのは、うまく操縦できそうだからじゃないかな。その場にいたのは性欲しか頭にない男かもしれないけど、女はそういうところしたたかだから。たまにしたたかじゃない子がいて、男選びに失敗してるけど。

・痴漢の件、ぶつかりおじさんの件

痴漢は犯罪だし、ぶつかるのも怪我させたら傷害罪だし、許せない。被害者は気の毒だし、犯罪者は1秒でも早く法の裁きを受けてほしい。

ただ、この話題にはあんまり関係ないような気がする。だって相手は犯罪者なんだから。女に対してどう思っているか、じゃなくて、犯罪を犯すかどうかの方が大きな分岐点だと思う。外国人を嫌っていてもいいけど(良くはないけど感情は変えられない)、外国人に暴力振るうのはダメでしょ。海外で反日デモとかあっても、「日本人のことは嫌いでいいけど、暴力は振るわないで下さい」って思うのが本音なので。

・TikTokについて

性的なコメントはやめてくれと本人が言ってるのにやめないのは非常に品がない。モラルに反するし、悪質なのは運営からブロックした方がいい。

でも、女の子じゃなければ素人のダンスなんて再生すらされないと思う。記事の筆者自身も図らずもそれを証明している(若い女性の動画が流れてくることが多い、見ていると楽しいとのこと)。私も同レベルのダンスを見るなら、女の子の方が見てて華があって良い、自分の少女期を思い出して楽しいと思うんじゃないかな。男子パフォーマーには申し訳ないけど。

男はセクハラを受けないですむけど興味を持たれない。女はセクハラを受けるけど興味を持たれる機会がある。現代社会において、興味を持たれるってのはものすごい社会的アドバンテージだと思う。Vtuberが女子多数の時点でわかる。

10代になったら、もう、自分の持っているもの、持っていないものを理解する年齢なんじゃないかな。男子高校生が「女のダンスばっかり再生される」ってぐちぐち言うのを想像したら、はっきり言ってみっともない。それと同じ。

・女の人生について

別に女が「おいお前!」「待てよ!」って言っててもいいと思います。矯正施設に入れられるわけじゃないんだから、好きにすればいいじゃないか。文句を言われても変えなければいい。私もあんまり上品でない地域柄のせいか、そういう感じで生きてきた。目上には敬語を使うけれど、それは男女関係ない。

ただそれを周囲の人が好きになるかは別問題だと思う。男が「おい、お前」って言う女を好きになる義務はないし、女が「ねえ、あなた」って言う男を好きになる義務もない。私も、男が「ねえ、あなた」って言ってきたら困惑するし、好きになる要素にはならないと思う。

私はあんまり女らしくないスタンスできたせいか、男に告白されたことがない。男にも私にも人格があって好みがあるんだから、文句を言う気もない(私の外見の話は今はしないでもらえるととてもありがたい)。

ある人間のスタンスを好きにならなかったり、他のもっと楽な生き方をお勧めしてきたりする周囲の人間が悪いような言い方をするのは、責任転嫁ではないかな。周囲はそれがいいし楽だと思ってその人に勧めてるんだから。そしてたぶん本当に楽。右利きの方が基本的に楽なのと同じ。

なのに、どうして「社会に(「おいお前」口調の女の子が)殺されちゃう」と悪のように言い切れるんだろう。自分の価値観は自分の価値観、自分のスタンスは自分のスタンスでしかない。どうして他人から無条件に尊重される前提なのかわからない。

私が「他人と話すの苦痛だから基本的に口開きたくない。でも仲間に入れて、情報や楽しみは共有してくれ」って同性の女性の集団に言ったら、仲間として迎え入れてもらえるのか? 無理では? という話。私は陰キャすぎて女の子の集団ともうまくやれない時期もあったので、よくわかる。当たり前のことだ。

口調や外見が普通と違っても楽しく生きていくためには、好かれたり仕事で大事にされたりするような人間になればいいんじゃないかな。例えば芸能人のキャラなんかってそうやって作っていくんだと思っている。台湾のオードリー・タン氏の性別(私も実はよく知らない)なんて、有能すぎて誰も気にしない。

そうなれない人間はそこまで。もちろん私もそうなれない側。

メイクも、結婚も、子供を持つのも、全部上記と同じ。この自由な社会では自分の人生は自分で決めるものだと思っていたけど、もしかすると私の認識が間違っていたのかな? 自由って難しいんですね。

主体性を持つしか生きる道はないと思う。周囲に合わせて楽になるために自分を変えたい、でも今までのスタンスを変えるのはつらい、って、いい歳してそんな10代みたいな悩み持ってる女、そんなよくいるのかな。自分の過去の選択が理由なら、自力で後始末をしないといけないっていうことなんて、小学生で身につけるのでは。

失礼ながら、この記事の筆者が無意識に女の頭が悪いと思っておられるのか、私が女を(ひいてはもしかすると自分を)買いかぶっているのか、どちらだろうかと思う。前者であると考えると残念だしそう考えたくないけれども、後者だったら嫌だな。

大変申し訳ないのだけれど、例の記事は、女に同情するふりをして、実際は女は人生も自分で決められないような存在だと哀れみながら書かれたんじゃないか? とすら邪推してしまった。私は他人の善意を信じるのが好きなので、そんな悪意はないと思いたい。

・男女が求めるものについて

あんまり言いたくはないけれど、女が男に対していろんなパラメータを持ってるっていうのは否定的にならざるを得ないのが本音。女が男を愛するには、多くの場合、外見(体型、雰囲気含む)・金(安定性、信頼性含む)・才能(金になりうる)のどれかは必要だというのが持論。これが前提になってはじめてその他の要素の評価に入ると思ってる。偏見で申し訳ないが、そうじゃないと大多数の女は男を好きになれないんじゃないかな。

だって「自分の世界を持っている」男を好きになるって、じゃあ鉄道マニアやアニメオタクがモテてるのか、と。私は好きじゃないし、実際の傾向としてモテないはず。だからこそオタク婚活とかあるのでは? バンドマン婚活とかバーテン婚活とかより、オタク婚活の方がたくさん検索でヒットする。なぜならオタクよりも、バンドマンやバーテンの方がモテて勝手に結婚できるからだ、と私は考える。特にバンドはオタク趣味と同様に趣味かもしれない。それでもオタクよりモテるのだ。つまり、自分の世界を持っているという理由がモテる理由になりうるとは考えにくい。

もしガチオタがモテるんだったら、これは私が完全に間違っている。謝るしかない。むしろ先んじて謝っておく。申し訳ない。

あと、男が「若い」を見てるのだとしたら、男がめちゃ愚かで女にはお得なのでは? だって、美人に生まれなくてもスタイルが悪くても、若いときは誰でもあったはず。もちろん私にも。

・メイクについて

私、「私かわいいじゃん」って鏡の前で上がったことないです。「こういうのが世間では良いのかな?」と思って、ちゃんとした人間に擬態している。成人式の前撮りのとき、プロに綺麗にメイクしてもらうと親は喜んでくれて、肌が綺麗に見えるのは良いなと思ったけど、それだけ。ヒゲ剃って「俺イケてる〜」と思う男がどのくらいいるのかって思う。男の多くは私と同じようなものかな? と勝手に想像している。社会生活を営むってそういうものでは。

まあでも女の方がコストが高いのはあるかもしれない。本当に際限がないから。

ただ、女はコストかける方が総合的に見てお得といえばお得だけどね。

稼げない女は許されるけど、稼げない男は許されない。結婚相談所の入会条件や婚活パーティの参加条件を見ればわかる。男は定職についている者のみでも女は成人ならばオッケーだったり、男の方が参加費が高かったりする。でもこれを平等にするべきとは別に思わない。ただ男女で異性に求めるものが違うだけ。個人の好みや性癖にまで文句は言えない。

女には、必死で働かなくても、世間にウケのいい姿になることにコストをかけて、最終的に稼ぐ男を捕まえるという手法がある。高校時代の気の強いしっかり者の同級生を思い出す。彼女はお金持ちで育ちのいい男を捕まえるために偏差値の高い私立大に行きたいと公言していた。ちょっと昔の結婚って、女が外でバリバリ働くものじゃなかったから、必然的にそうなっていたんだと思う。

現代は時代が変わったから、女としての自分にコストをかけたくない女がいたとして、かけなければいい。ただそうすると女として得られる利益は失うだけ。私も女としてのコストを削ってる分、利益はあんまりもらっていない。それで文句を言うのは道理が通らない。


自分の望む通りに他人から愛されたり放っておかれたりするのは、当たり前の権利じゃない。

自分が求められるままに他人を愛したり放っておいたりする義務もないのだから。

だから私たちは、いちいち自力で1つずつ他者と要求をすり合わせていくしかないのだと思う。


まあこれから時代はもっともっと変わるのかもしれない。より清く正しく便利に。

その時代が、女にとって、男にとって、人間にとって生きやすいかどうかは、私にはわからない。