「増田君久しぶり、元気してる?」
大学生のとき同じサークルだったランカちゃん(仮名)から急に連絡が来た
日々KKO道に精進している私なので、「こういうケースは宗教かマルチか借金申込のどれかだな」と思いながらとりあえず返信した
適当に近況報告をする中で彼女がようやく本題を切り出してきた
「増田君自粛してばっかじゃつまらないよ 今度一緒に映画見にいかない?」
「いいよ 何か見たいのある?」
「キンコン西野さんのプペル見に行こうよ 増田君見たことないでしょ」
ああ、そういうことか ここでようやく私は彼女の真意を悟った
学生時代明るくてかわいくて聡明でみんなの中心的存在だった彼女がプペランカーとなってしまっていたのだ
結局私はその誘いを受けることにした 3000円かそこらのはした金で彼女とデート気分が味わえるのであれば安い買い物だ
レンタル彼女を利用すれば桁が1つ違うわけだし、好意を持っていた子との映画ならまったくもって問題ない
当日、駅で待ち合わせをして二人ですぐに映画館へ向かった
今日がこれで4プペ目だと自慢げに話す彼女
コロナ対策のため席は1つおきとなってしまうので、隣り合わせで見られなかったのは残念だが私は(私の中だけで)映画デートを堪能した
見終わったあとで感想を聞かれたら困るので、とりあえず上映中は真面目に映画を見たのだが内容はよく覚えていない
映画が終わり、ファミレスへ移動し二人で映画の感想を話し合ったあとで二人で駅まで歩いていると
「増田君、よかったら来週もいかない?この映画見るたびに新しい発見があるんだよ」と彼女が誘ってきた
駅を通り過ぎれば東口にはラブホ街がある 彼女を救い出すためには自分が悪者になるしかない 私はそう決意して彼女に答えた
「じゃあプペルについて朝まで語り合おうぜ」
そういって私は彼女の手を引っ張ろうとしたが彼女が手を振りほどいてきた
「何それ 私そういうつもりじゃなかったんだけど」
「でもさ、ランカちゃんはこちらからの信用をうまくつかって映画に誘い出したわけでしょう
こっちは映画を見ることを応諾してランカちゃんからの信用を得たんだから、それを使ってホテルへ行こうっていってるだけだよ?
西野がいう信用経済ってそういうことでしょう」
「ちがうよ 西野さんが言ってる信用経済はそんな汚いものじゃないよ
私が何かにチャレンジしている人を助けたから、私が何かにチャレンジするときに誰かが助けてくれるんだよ」
「僕はランカちゃんからえんとつ町のプペルのチケットを捌かす手伝いをしたよ
じゃあランカちゃんも僕の股間の煙突に対して何か手伝いをするべきなんじゃないの?」
「何それ・・・本気でそれいってるの?」
「サロンの世界では1プペ=3000円なんでしょう だったら5プペで1回やらせて・・・いや1円突させてよ」
「お金で女性を買うとか最低じゃない」
「買ってるわけじゃないよ 僕は夢を支援してるだけだよ 円突って言い方が嫌なら援突にしようか 7プペ=1援突でど・・・」
私がその言葉を言い終わる前に彼女は手に持っていた台本を思いっきりこちらへ投げつけてきた
怒りで肩を震わせながら駅へ足早に立ち去っていく彼女
そんな彼女の後姿を見ながら「早く気付くんだ 今ならまだ戻れる 目に見える全てが優しさなんだよ」と心の中で叫びながら
「プペプップ~ プペルゥ~」と口ずさみつつ腰を振り続けた
親の前で朗読させたい日本語