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コカインはヴィーガンか?

ヴィーガンになって3年、財政事情が変わり、余裕ができたケートリンは、麻薬を試してみようと思い立った。それまで経験はなかったが、コカインなら許容範囲だろう、と考えたのだ。大麻、マジックマッシュルーム、コカインの原料であるコカの葉の栽培、MDMA、2CB、LSDの合成は、動物を傷つけるだろうか? そんなはずはない、と彼女は結論付けた。つまり、コカインはヴィーガンなのではないか?

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「然るべき施設で、合法で製造されるのであれば、コカインそのものは、必ずしも動物、人間、環境に害を及ぼすとは限りませんから、この主張は正しいはずです」とケートリン。「合法で製造すれば、コカインに関するネガティブな要素を避けられます。環境に優しいオーガニックのコカを栽培し、コカインの抽出に必要な化学物質を適切に管理、処分するのが理想です。そして、販売を規制すれば、コカインを取り巻く暴力から脱することもできるでしょう」

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ケンドラ・マクスウィーニ ー(Kendra McSweene)は、疑問を呈した。「彼らの理屈がわかりません。硫酸、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、灯油、アセトン、塩酸がヴィーガンですか? コカイン製造には、コカの葉だけでなく化学物質も必要なのですから」

そういう問題なのか?

ケートリンも、ヴィーガンのコカイン使用者に反論する記事を読んで、言葉を詰まらせた。記事の文調や熱のこもった主張に、一瞬怯んだのだろう。しかし、彼女は、コカインがヴィーガンであるという見解を認めない論者は、菜食主義の粗探しをしたいだけで、ヴィーガンへの社会的な蔑視を具現化しているだけなのでは、と疑っている。

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「ヴィーガニズムの目的は、特定の食べ物、衣服、娯楽を避けることです」とアーノルドは主張する。「ドラッグや電子機器などには、そこまで気をつかいません」

彼は、環境保護に関する主張にも左右されないという。「つまり、ヴィーガニズムが最優先するのは動物なんです」とアーノルド。「僕は、リッター6.5キロの車でドライブしたり、大麻を大量に吸ったりもします。人間の行動は何かしら、非倫理的な結果につながります。僕にとっては、年間200匹も動物を食べる生活をやめる だけで充分です。0.5グラムのコカインを控えるよりも、動物や環境にとってずっと有益でしょう」

免罪符的な発想になるのか

当時のジョン・ジョセフは、不規則な食生活を送っていたが、食事はいつも野菜中心だった。3〜4日間眠らずにコカインやフリーベースを吸い続けたあとも、目が覚めると必ず〈デトックス〉のために大量のウィートグラスジュースを飲んでいたそうだ。

「だからこそ健康を保っていられたのだろう」と彼は推測する。「必ずオーガニックの植物性食品を摂るようにしていた」

生まれつき健康で頑丈な身体を持っていただけではないのか