まず自然状態の人間に義務はない。しかし社会で暮らすためには義務が発生する。先人が作った橋から恩恵を得るなら、その橋を保守するか、保守している人間に金を払うか、そういったものが義務になる
なぜ義務が発生するかと言うとタダ乗りする人間が増えると社会が破綻するからだな
つまり義務とは究極的には「タダ乗り防止策」という事になる。ここを勘違いしてるバカが義務について話すと何もかもおかしくなってくるわけだな
こうした定義からすると親の「子供を育てる義務」というのは義務として不適切なのである
集団にとっては子供が自分達にタダ乗りしてきたら困るから義務を作るわけだ。だから親に対して課す義務は「自分の子供を集団に貢献できる大人にすること」だ
だから法的にどうあれニートの親は形見が狭いわけ
これは逆に言えば「子供を集団に貢献できる人間にできなさそうなら殺していい」という事だ。それで親の義務は果たされた事になる
義務が存在する理由から逆算すれば、これが正しい親の義務だ。現代の「お気持ち」で作られた理由なき義務は、義務に偽装された一部の人間のワガママに過ぎない
もちろん殺していいからと言って「面倒だから殺すわ」みたいな親が社会に受け入れられる必要はない
オタクは生きていても良いが、気持ち悪いから恋人にはしないのと同じで、簡単に子供を殺す親は気持ち悪いから付き合いたくないというのは別に構わない
しかしオタクを嫌う人間の「お気持ち」によって根拠のない義務が形成され「オタクでなくなるのは人としての義務なのでオタクは有罪」という事になったら問題だ
義務には根拠がなければいけないし、義務の不履行で人を裁くなら、それによって社会の何処にタダ乗りしているのか示す必要がある
義務とは法や議論で決めるようなものではなく、自然発生するものだ
ちょうどいま「副反応のリスクを負ってワクチンを接種した人間が形成する集団免疫へのタダ乗り」を防止するために人間社会が義務を自然に生み出していく様子を見ることができるだろう
観察していれば分かる事だが、山で一人で暮らす人間にワクチン接種の義務は発生しない。発生するのは主に感染確立が高い人口密集地や医療機関などである
つまり、義務とは人間がその意志によって創造するようなものではなく、人間社会の影響を受けた人間が自動的に分泌するものなのである