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「暴力的な男がモテる」のは本当なのか? その主張の背後にあるリスクの正体(トイアンナ)

ただ、これらの事情を踏まえても筆者は「暴力性のある男はモテる」という表現には、リスクを感じている。というのも、相手へ積極的にアプローチする「暴力性」と、相手を言葉で傷つける、さらには物理的に殴る「暴力性」は似て非なるものだからだ。

確かに、DV男性、モラハラ男性にも伴侶がいることは多い。殺人犯だって、獄中結婚するケースがある。だが、それは暴力的だからではなく「女性を口説く回数が、モテない男性より多いから」という結論を示した調査もある。彼らは暴力によってモテているのではなく、誰彼構わず口説くから、結果として恋人ができやすくなっているというのだ。

また、女性へデートを打診する態度は、暴力性というよりは「外向性」「積極性」と表現するほうが誤解を生まないだろう。デートに誘ったところで、相手が嫌そうな笑顔見せたり、日程をぼかしたりしたらスっと引けばいいだけのことである。軽く言葉で恋愛を示唆してみて、嫌そうならすぐに引く態度すら暴力性だという女性もいるかもしれないが、少数派であろう。

私が危惧しているのは、こういった積極性まで安易に「暴力性」とひとまとめにすることで、鵜呑みにした誰かが暴力を振るわないか……というリスクだ。デートに誘いまくるだけなら、仮に100人にしても「ちょっと困る」で済む。だが、これが「女はバカ」と罵倒しまくる言葉の暴力や、気になる女性の頭を殴る暴力が出てきたらどうだろうか。