トランス思想支持のフェミの何人かが、反トランス思想フェミの「女性の方が非力だから安全上の配慮が必要だ」という訴えに殊更に不快感を示したいたのには、理由がある。女性＝非力=劣っている、という考えが女性差別・女性蔑視の元になっている、と教わってきたからだ。それは事実でもあるが……。
だから、ジェンダーフリーフェミニズムは、腕力の差は性差ではなく、個体差だと訴えてきた。実際に、男性の平均よりも腕力が勝る女性やいる。女性の平均より腕力が勝る男性はかなり稀少だが、いないこともない。生殖機能の他は全てが個性・個体差に過ぎない、と。
脳の性差や精神の性差も無い、とジェンダーフリーフェミニズムは規定する。しかし、肉体の性差も脳の性差も無いとしたら、トランスジェンダーの「性をトランスしたい」という願望を、フェミニズムはどう捉えたらいいのか？その性とは肉体でもなく脳でもなく……残るは自認、アイデンティティしか無い。
シス/トランスという属性を多数派/少数派、支配者（権力者）/被支配者という階級とみなす世界観は、マルクス主義フェミニズの論法に倣ってる。あらゆる社会運動は階級闘争だ、というあれ。マルフェミにとって打倒すべき支配者が男性であったように、トランス（女性）にとって支配者はシス（女性）だ。