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署名の完全な身元確認は私人には不可能なので、他人の氏名を勝手に使って署名した者こそが一番悪いという...

署名の完全な身元確認は私人には不可能なので、他人の氏名を勝手に使って署名した者こそが一番悪いという点は、誰も争っていない。問題はそこじゃない

オープンレターにあえて個人名(呉座氏)を挙げたのだから、賛同者の署名に誤りがあった場合、事後の対応は呼びかけた側が誠実に対応すべきでしょう

@YusukeTaira

最低限、誰々は違いました、という個別の告知・公表はすべきで、氏名・肩書を賛同者名簿から削除しただけでは不十分だろう(個別の告知公表をすれば、第三者の虚偽の署名があった場合には、謝罪までは不要という考え方も成り立つ余地はあろう)

以上は、オープンレター呼びかけ人の法的義務ではないか?

@YusukeTaira

つまり不法行為責任(民法709条)との関係で、①事前対応としての本人確認義務は法的義務とまではいえないだろうが、他方で、②事後対応として、署名していない者の氏名・肩書きがオープンレターに掲載されていたことが判った場合に、当該氏名等を賛同者から削除したとの個別の告知公表は法的義務だろう

@YusukeTaira

したがって、署名偽造を行った者を咎めるのは当たり前であってそこは当然のことであり、問題にならないから議論にもならない。この話と、署名を集めた側の事務の不備すなわち上記②の事後対応の話とは、別の法的問題である。ましてや②の点を議論しただけの個人に「恥を知れ。」などと言うのは論外です

@YusukeTaira

少なくとも個別の人物(例…呉座氏)の氏名が載っているオープンレターの場合には、第三者のいたずらによる場合であっても、事後に賛同者名簿から削除した旨の個別の告知・公表義務(上記②)が生じ、これを尽くさない場合には、オープンレター呼びかけ人側に不法行為責任が生じる可能性があると思われる

@YusukeTaira

ちなみに、平成18年新司法試験論文式試験公法系第1問(憲法)は、あるメッセージ性のある文言の記載内容が特定の者の「意見であると思われる可能性がある」(当該特定の者はそのメッセージに反対である)という事例について「消極的表現の自由」の侵害の問題として論じさせるものであった(出題趣旨1頁参照)

@YusukeTaira

この(新)司法試験の問題は、いわゆる「対国家」の事案であり、国家賠償請求訴訟(の主に違法性要件)との関係で、上記消極的表現の自由が問われた。他方で、オープンレターは、私人が公表した者であるから、上記不法行為責任の問題は、いわゆる私人間効力の問題に位置付けられる。

@YusukeTaira

しかし、憲法学における間接適用説によれば、オープンレターのケース(上記②についての呼びかけ人側の事後対応)も、特定の民法の規定の解釈適用に際して、憲法の趣旨や価値を反映させることで私人間の人権保障の実現を図るべき事案という余地はあろう。消極的表現の自由の私人間効力論も問題だと感じる

@YusukeTaira

オープンレター呼びかけ人には複数の大学教授等の研究者が含まれている。専門外だとしても、他の法学部の教員に相談された方が良いと思うし、あるいは有料の弁護士の法律相談を受けて対応すべきでしょう。オープンレターによる社会運動そのものを停滞させる過失では、と危惧する。しっかりしてほしい

@YusukeTaira

呼びかけ人側の事後における対応(上記②…個別の訂正告知・公表義務を遅滞なく尽くすこと)を懈怠すると、賛同者の一部にこういった方が今後も出てしまう。運営側は本当にしっかりしてほしいです。

「オープンレター」への賛同の撤回と謝罪|こいひろ(小池裕敏)【⋈】|note

@YusukeTaira

このツリーの3~4つ上のツイートにある「消極的表現の自由」は、平成28年司法試験予備試験でも再び出題された。このことは出題趣旨↓にも明記されている

自分の見解とは異なる意見・見解を表明させる行為は、個人の「消極的表現の自由」と関わる問題である。私人間でもその趣旨は考慮されるべきだろう

@YusukeTaira

現役司法試験考査委員の宍戸先生も、「私人間における基本権の効力」の項目で、「表現の自由」の価値が民法709条(不法行為の規定)との関係で考慮されるべき旨の解説をしている(渡辺康行ほか『憲法Ⅰ』(日本評論社、2016)54頁〔宍戸常寿〕↓)

(広い意味で)表現の自由の私人間効力の問題といえる

@YusukeTaira

憲法学者の樋口陽一先生は、自立・自律する、自己決定をする主体としての「強い個人」像を示した

大学のテニュア教授は、非常勤講師や任期付きの教員と比較すると、自立・自律する、自己決定をしやすい主体であり、年収も圧倒的に高い。それは「強い個人」に該当する なお、法律相談は概ね30分5,000円

@YusukeTaira

テニュア教授や准教授は、トラブルがあれば有給を使い(非常勤講師には普通有給はないだろう)、速やかに法律相談をすることも可能だ。大学教授の平均年収からすれば、1時間10,000円支払ったところで生活に支障はない。それでリーガルリスクを低減できる。テニュア教員は「強い個人」に当たらないだろう

@YusukeTaira

テニュア教員は学内業務が忙しいから社会活動に避ける時間はないので、ゆっくりと対応しても違法ではないという見解が仮にあるとすれば、それは法的には到底容認されない見解というほかない。テニュア教員は、平均年収からして、非常勤講師に比べ、弁護士費用を出すハードルが圧倒的に低い。依頼しよう

@YusukeTaira