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白饅頭日誌:3月30日「“MeToo格差”が語るもの」

男性はもっぱら自分が受けるさまざまな被害や抑圧を口にすることはない。なぜならそれがみずからの救済につながる可能性は低いばかりか、そのような「被害者性」を口にすること自体「男としての価値が低い」と見なされてしまうからだ。被害をずっと黙って、我慢して、耐えきれなくなって、ついには死ぬ。

一方の女性たちは抑圧からますます解放されて自らの「被害」や「不快感」をすぐさま口にすることができるようになっている。個人的な被害を政治的・社会的問題とする理路も整備されてきた。その結果として「被害を受けているのは女性ばかりで、男性はなんの被害も受けずに、のうのうと暮らしている」という表面的な観測的事実が生じた。

「私たちは黙らない、わきまえない、抑圧に屈しない!」と叫んでいる現代社会の女性たちよりも、男性の方がよほど沈黙を強いられ、抑圧を受けている。