日本のロシア研究者の2大ナラティブ。
①ロシアは悪くない。戦争を煽った欧米の方が悪い。
②ロシアはプーチンのせいで悪い国になってしまった。もう共感できないし、研究する気も失せた。
好きな国でなければ研究できないという謎。おそらくその逆で研究対象に愛着持つ人は地域研究には向いていない。
ソ連/ロシアは悪い、だからこそ研究しなければいけない、という人は少数。
↑の①も②も、真の反体制派(ナヴァリニイではなく、90年代から2000年代前半に亡命したり「消された」人々)を軽視してきたという点では同じ。多くのソ連研究者も、ソ連が言う「リアリスト」、「体制内改革派」のみに耳を傾け、亡命ソ連人は軽視(正確に言うと軽視するようにKGBに仕向けられた)
日本の外国研究者は文字通り「好きが高じて研究者になった」パターンしかいないので、研究対象に対する同一化や過剰な肩入れをしがち。
ロシアに限らず、韓国の研究をしている人もそんな感じである。
日本では愛国心を持つことをよくないことだと見る風潮があるので、その代替として外国にアイデンティティを投影するケースも多い。
第三者的な評価、あるいは自国にとっての価値(あるいはリスク)の評価というある種の冷徹さを保った研究は主に軍事学の領域で行われるものだが、日本には事実上軍事を研究する大学はない(防衛大にあるのが唯一のはず)。
したがって、過剰に研究対象に肩入れした公平性のない研究者が対象国のスポークスマンかのようなムーブを取ることが起きがち。
やはり人文系は不要なのでは?