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白饅頭日誌:4月17日「なぜ若者は“アウトプット”にこだわるのか?」

[...]だがそうではない。かれら若者たちは、現在の中高年インテリたちが若かりしころのように、ひたすらインプットに明け暮れて、自分の内面性を豊かにすることばかりに傾倒していればそれで済んだ牧歌的な時代を生きていないのだ。発信が容易い時代だからこそ、若者たちはつねに「発信者」であることを求められている。

若者たちは自分たちのコミュニケーションツールのインターフェイスによって「コミュニケーションするためにはなにかをアウトプットしなければならない」と否応なしに求められているばかりか、それだけでなく「生産的な人間である」ことを同時に周囲にアピールしなければならない、ゆとりのない時代に生きている。

このような状況にかれらがおかれていることを綿密な解像度で考察し、言語化することこそ社会学の仕事だ。社会学に真っ向から叛旗を翻す私に社会学の本懐を奪われてどうするのか。若者に「太鼓持ち」ばかりをやらせて悦に入るのではなく、かれらに持っている太鼓をいますぐ棄てさせ、本音を語らせる場を提供してこその社会学だろう。