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月曜だし国連たわわ事件の反省会しようぜ

オタクコンテンツ炎上事件が起きると、表現規制派 vs 表現の自由派でうんこの投げ合いが始まるけど、別にこれ、憲法でいう「表現の自由」の話じゃないんだよな。

それなのに、なんか基本的人権の重要な一部が毀損される深刻な事態が起きているかのような話になるから、わけのわからない空中戦になる。

どういうことだか説明するね。


フェミニストたちは法的規制を求めていない

フェミニストたちは別に、法的規制までは求めてないんだよね。

そりゃあ、法的規制ができれば大金星として、成果を大々的に掲げて本とか記事とか書きまくるだろうけど、それができると思うほどのぼせ上がってはいない。

それにむしろ、法律によらず、SNSとか炎上させて圧力をかけて、相手が自主的に応じてくれたほうが都合が良いわけ。

1.法的規制と同様の効果を生じさせることができる。炎上して謝罪させたら、それを見た他の企業も炎上しないよう、自主的にやらないでくれるだろう

2.炎上させる相手を選択することで、自分たちが実質的に規制判断の基準の決定権を握ることができる。フェミニストのなかにはBL愛好家もいるので、法ができてしまうとむしろ困る。BL無罪のたわごとは裁判所では通用しない。

3.憲法上の問題を回避できる。規制法の制定は憲法上、著しい困難を伴う。「性的搾取」とか「性的に眼差す」とかのふわっとした根拠で規制なんかできるわけない。

そういうわけで、フェミニストさんたちは法規制を目指さず、集団で火付けをすることで実質的な規制を行うことを目指しているわけ。

表現に対して批判を行うことも、表現の自由の重要な一部なので、フェミニストさんたちが行っていることは、実にまっとうで健全な手段なのだ。


表現の自由派はとれる手段が少ない

これに対して、表現の自由派が取れる手段はとても少ない

1.買って応援!

2.炎上を仕掛けているフェミニストたちにうんこを投げる

3.山田赤松にお布施して祈願する

これらは、これまであまり効果がでてこなかった

なぜなら、

1.買って応援!

→ とてもまっとうで健全な対抗手段であるが、宇崎ちゃんにせよ温泉むすめにせよ、これまで炎上して取り下げを強いられてきたものは、たいていがコラボ案件なのである。

コラボ案件は実施主体にとって、ないならないで別にそう困らないのである。むしろさっさと取り下げたほうが、いつまでも燃やされるより低コスト・低リスクなのだ。

2.炎上を仕掛けているフェミニストたちにうんこを投げる

→ フェミニストにうんこを投げても、チンパンジーじゃないから効果はない。

だいたい、フェミニストたちは社会に訴えかけているのであって、別にオタクと議論するつもりなんかないし、はじめから折伏できるなんて思っていないのだ。

3.山田赤松にお布施して祈願する

→ フェミさんたちは言論の自由の上に立って批判をしているのであって、憲法上の問題を生じさせない手段でやってるため、はじめから議員の出る幕などないし、むしろ介入方法によってはそれこそ問題があるのだ。

まあ、フェミさん路線は票にならないよと知らしめる意味くらいはあっただろう。


今回フェミさん劣勢みたいだけど?

今回、フェミさんたちがなぜ未だに何も達成できていないかというと、

1.広告は新聞の営業において必須のものだから

→ しんぶん赤旗にだって広告欄はある。そして紙面にどんな広告を載せるかも、メディアの表現の範囲内だ。

広告に対する事後検閲を外部の機関に許してしまうと、メディアとしての自律性が危うくなるため受け入れ難いし、少なくとも高度に予期可能な基準を要求するだろう。

2.日経新聞が「あれは問題のある広告だった」と認めて謝罪してしまうと、広告主の顔に泥を塗ることになるため、できない

→ あたりまえ体操

3.講談社にとっては、あんまり講談社に抗議はきてないし、謝罪しても別にいいことないし、「広告出したい」「いいよ」「やったぜ」ってだけなので、文句を言われる筋合いがない。

→ それよりも作者と作品を守るだろ、それが仕事なんだから。

要するに、主にターゲットにされてる日経新聞にとって、譲れない線を踏み越えてきているからなのだ。

なお、UN Womenとの規約に違反したんだって議論もあるが、以下の理由で非常に疑わしく思っている

1.少なくとも「3つのPをすべて満たさないと掲載しない」みたいな内容の規約だった場合、法務や経営陣が許すはずがない

2.仮にもしそんな規約を受け入れているのであれば、外部にむけて広告を募集するにあたって公表するはずである

そうしないと出稿企業から予測不可能なため、広告掲載にあたって毎回手戻りが起きてしまう

3.そんな規約を受け入れるのであれば、せめてそれだけ厳しい規約を受け入れましたよとPRするはずである

どうせ、具体的で予期可能な広告基準は合意内容に含まれていなかっただろうと推測している。


フェミさんたちの今後

今後も何も、不満に思ったことにたいして批判を加えているだけなので、特に今回のことがあったからといって何も変わることなく、今後も不快なもの、不正義だと思うものに対して批判を加えていくだけだろう。

そのなかにしょうもないコラボ案件があれば、やはり相手は謝罪して引っ込めるだろうし、それが重なっていくことで、世の中の基準はゆっくりと動いていくだろう。

なぜならそれに対して、表現の自由オタクたちは、うんこを投げるくらいしかできないからだ。