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女性にジェンダー問題を語らせてはダメだとあらためて思った(追記した)

「見えてる世界が違うこと。」

https://trajectory.hateblo.jp/entry/2022/05/01/122007

セクハラや痴漢やもっと酷い被害には心から同情するし、あってはならないものだと思う。

だからセクハラ犯や痴漢の犯人や性犯罪者は徹底的に糾弾すべきだし、そういう犯罪がおこらないような防犯体制は今以上に整えていくべきだと思う。

でも、その文脈において、微妙にセクシャルなイラストを規制することの優先度はかなり低い。

イラスト規制が犯罪防止に有効であるという根拠は限りなく薄い。

上記ブログエントリーを見てもわかるとおり、過去に犯罪被害を受けた者は、ささいな表象と過去の記憶を容易に結びつけてしまうため、

(大変申し訳ないけれど)ルール作りの議論に参加するには不適切としか言えない。

イラストを見て過去の被害を思い出してしまう、という被害者の声には耳を傾けるし同情もするけれど、

誰かの経済活動や表現活動、すなわち誰かの合法的な収入源を取り上げるような主張までは飲むことができない。

被害者も加害者も、当事者はその事案の何がどのくらい問題なのか正しく判断できない。

民事訴訟の被告や原告が裁判官を兼任するとか無理でしょ。

つまり、女性のほとんどが多かれ少なかれ性被害に遭っているのなら、ほとんどの女性は(不幸なことに)この問題に対して客観的な視点を持てないという前提で議論すべき。

(追記)

タイトルは盛り過ぎた。なんかごめん。語らせてはダメとは思ってない。

途中の文章でも書いてるけど、「被害者の声には耳を傾ける」べきだし、客観的な視点を持ちにくい人の意見という点を差し引いて議論をするべき、というのが主題。

ジェンダーだと対立しちゃうから、たとえば上司のパワハラで命を絶った人の遺族に話を聞いたら「パワハラする人は死刑にしてほしい」くらい言うだろ。

それは人間の感情として当然のこと。でもそれで量刑を決めてはならないというのが法治国家。

自分だって、過去のトラウマのスイッチが入っちゃって冷静な議論ができなくなるテーマはある。

でも、もしそういう場合は「ごめん、この話題だとちょっと冷静になれないので参考程度に聞いてほしい」みたいなことを言う。

だからね、感情のスイッチを切って冷静な判断をする訓練を受けた研究者とか法律家が、「被害者の声を参考に」冷静に判断すべきと思ってる。

熱くなりやすいジェンダー研究者とか多いから難しいとは思うけどね。

いくつかブコメのお返事書くね。

ジェンダーの半分(近く)は男性か、男性的な存在なのだからジェンダー問題当事者では。当事者に客観的な判断ができないというならば、誰も言及できなくなると思う。

当事者は犯罪加害者と犯罪被害者。そのテーマに関して(犯罪やハラスメントレベルの)加害も被害もしてない人は冷静な判断をしやすい。

あんまり知られてない話だけど、ほとんどの男性は犯罪をおかさないんだぜ。

あとはさっき書いた女性でも冷静な判断をする訓練を受けた人っていうのが現実的。

端的に「あなたは性犯罪の被害者ではあっても、イラストの被害者ではない」で済む話。

それっす。性犯罪とイラストを直結する気持ちもわかるけど、同一視しちゃだめってのがスタートライン。

本気で言ってるのではないと思いたいけど、当事者に語るなと言うなら、男性の自殺やホームレスが多い問題とかも男性に関わらせてはダメってこと?

逆なでする言い方してる自覚はある。語るなというか、被害者の声と客観的な意見を混ぜてはダメってこと。

男性の自殺やホームレスの対策について、自殺者本人やホームレス本人に解決策を聞いてもあんまり解決しないよね。

彼らの声を聞いて、自殺してない人やホームレスじゃない人が状況を冷静に分析して、冷静に解決策を考えるよね?

これも「女は頭が悪く、自分の体験と社会全体の議論を分けて考えられない劣等種だから黙っててもらった方が双方の為でしょ」という家父長的価値観である。

本当に女性の為を思うなら「今は社会全体の話をしている。お前の個人的体験を聞く時間ではない」と分別を諭してやるのが筋である。