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暗黒メモ「できれば、たくさんのつながりを」

子育てが終わり、暇を持て余していた友人がある日「ネトウヨ」的な活動にハマるようになり、その言動に耐えきれずしばらく敬遠していたら、いつのまにか、いま話題の政党「参政党」の熱心な支持者になっていた――というものです。

参政党がこれまでの泡沫保守政党と大きく異なるのは、その党派性に「スピリチュアル」「自然派」系の思想的要素が多く含まれていることです。本来ならばこれらはニューエイジ系の左派勢力にこそ親和的な要素だったのですが、参政党はこれを「愛国主義」と融合させるという離れ業をやってのけることで、全国から広範な支持層を獲得することに成功しています。

「グローバル資本主義」について、スピリチュアリズムや自然派思想の文脈でよく批判されるのが、穀物メジャーによって大規模生産される食料品・食品添加物や、あるいは世界中に展開する製薬会社のワクチンなどですが、は、これらはまさしく市民の健康を犠牲にする国際資本主義の陰謀として位置づけられており、こうした邪悪な勢力から日本を守るためには反グローバル的な愛国主義しかない――とかれらは考えるわけです。

参政党は、「資本主義によって工業化された製品やサービスによって、私たちは知らず知らずのうちに健康被害を受けている」という物語を強固に信じて強い不安を抱えながら、しかしその不安を解消する方法を見出せなかった人びとに、「反グローバリズム/反国際金融資本(のための愛国主義)」というわかりやすい「解決策」を明示したからこそ、大規模な動員を成し遂げて政治運動を展開し、ついには議席を獲得するに至ったのです。

つまり「ネトウヨ」にせよ「参政党」にせよ、あなたのご友人にとって「いい人に恵まれている」と感じられたはじめての場所が、あるいは「本当にやりたいことを見つけられた」と心から確信できたはじめての場所がそこだった――ということなのです。それ以上でも以下でもありません。