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【極秘入手】7pay開発の内部資料。「セキュリティー不備」は急な開発と“度重なる仕様変更”が一因か

同サービスの開発に近い複数の情報提供者の証言には、共通点がある。

7payの仕様がなかなか固まらず、リリースの比較的直前まで開発現場が混乱していた、という指摘だ。

複数の関係者によると、もともと2019年7月中に7payのサービスを開始することは決定していた。しかし、プロジェクトがスタートした約2年前から2018年末ごろまでは、7payは「単独のアプリ」として配信する予定だった。

1つめの大きな仕様変更は2018年末。年の瀬が迫る段階で、7payを急遽現在の仕様である「セブン-イレブンアプリへの追加機能」とすることに変更された。7payの開発にかかわる企業をよく知る関係者によると、この段階でアプリの開発企業が変更されたという。

年末年始にスケジュールの再調整が行われ、2019年初には7月1日のサービス開始を必達目標としたシステム開発が再開された。

本来は3月中に、7payの動作確認を行う「システムテスト」が実施される予定だったが、実際にテストが開始されたのは、4月末のゴールデンウィーク直前だった。

テスト期間として当初は1カ月半〜2カ月ほどの余裕があったはずが、ゴールデンウィーク直前から開始したため、テスト期間は実質1カ月を切る状態だった可能性がある。

システムテストが遅延した原因は、7payと連携する「オムニ7」にある、と言う現場関係者もいる。

7payのリリースに合わせてシステム変更が発生するオムニ7側での作業が間に合わないという訴えは何度も出され、全体のテストスケジュールは少なくとも2〜3回の変更があったと、関係者は語る。

一部で指摘されていたiOS版アプリだけユーザー情報の登録フローが異なっていることも、後付けの設計変更が関係しているという。

なお、今回の7payのシステム開発では、フロントエンドが従業員数3000人弱の大手SIer(システム構築を請け負う企業)、基幹システムは別の大手開発会社が担当している。一部ネットではセブン&アイの他のグループ企業のシステム開発に参加した会社の名前が参加企業として広がっているが、不正確な情報が混じっている、と複数の関係者は言う。

仕様を決める層がドタバタしている間、実装担当者はやることがなく待ちぼうけしながら時間だけが空費されていく状況が目に浮かぶ。