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エンジニアがキャリアを考える上で知ってほしい「未経験歓迎」の背景

日本のSIerのほとんどは、多重下請け構造と呼ばれるピラミッド型のビジネス構造をしています。このビジネスモデルでは、一次請けの1人に対して、複数人の二次請け・三次請け…n次請けのプログラマーがつくことで利益が増えていきます。いわゆる人月商売ですね。

このビジネスモデルで一次請けの企業がより大きな売上をあげるには、よいシステムが作れるかどうかよりも「いかに多くの人を抱えられるか」が重要です。また、n次請けにとっても、人を提供できればできるほど売上は多くなります。(私はこの構造が非常に嫌でして、何か改善できないかと考えてpaiza(ギノ)に入社しました)

私も前職はSIerにいましたが、実際に、できあがったものの品質がよいかどうか、特に保守性や拡張性などはほとんど評価されません。インプットに対するアウトプットが正しいかどうか、単純な出力が合っているかどうか(≒外部仕様として想定通りに動いているかどうか)だけで、中身は可読性が悪く、コピペ開発が横行しているケースも多くあります。それでもOKが出てしまうので。

さらにそうしてできあがったシステムは、保守性が非常に悪い。しかし人月商売の場合、保守性の高いシステムを作るよりも、保守性の悪いシステムを時間をかけて修正したほうが、利益が出てしまう構造になっています。(もちろんこれはかなり極端な例ですし、発注側が高いと思えば別のSIerに発注すればよいのですが、根幹的なシステムを握られていると、現実的にそれは難しいというケースも多いです)