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「AIが仕事を奪う」への疑問 いま、“本当に怖がるべきこと”は

しかしあれから4年、既にオズボーン論文はほとんど否定されており、反証論文も出尽くしている状況です。「人工知能脅威論」とは、過去にあった神話なのです。それなのに日本だけがいまだに人工知能による雇用への影響におびえ、既に否定された論文を持ち出し、怖い怖いとおびえているのです。

なんと

1点目は、職業そのものに実体はなく、成果を出すためのタスクを束ねた総称であるという指摘です。実際に自動化される対象はタスクの方です。それなのに、オズボーン論文は上位概念に当たる職業に目を向けて自動化を判断しています。分析するには粒度が荒いのではないか、という声が多く上がりました。

ふむ。

2点目は、自動化されることで生まれるかもしれない新たなタスクや職業を全く無視しているという指摘です。例えば過去の歴史を振り返ってみると、コンピュータが登場したおかげで無数のタスクや職業が自動化されましたが、コーディング、インフラ、保守作業などさまざまなタスクや職業も生まれました。そうした新たな雇用は一切考慮していないのです。

それらの仕事にシームレスに移行できる人間ばかりじゃないのが問題なのでは? あるいは自動運転技術のように抜本的に人間を排除する仕組みに関してはどうなのか。

つまり、職業自体はなくなりませんし、その職業に求められる成果も変わりませんが、成果を上げるためのタスクは、デジタルなハードかインターネット上のサービスによって自動化されると考えればいいでしょう。そして平均9%ほどの職業自体が、自動化が行き過ぎてなくなるのです。

すなわち、新しい技術、つまりデジタルに対応できない人から失業する可能性があります。

はい。それがAI(AI技術)に仕事を奪われるということなのでは。

いまや「人工知能に仕事が奪われる」という文章のリード文は、ものすごく恥ずかしいのです。世界は既に「デジタル化に向けて私たちは何を学び直すべきか?」を話しているからです。2周どころか、3周、4周回遅れの議題だと言えます。

ふむ。これは確かにその通り。

「人工知能が原因で失業する」とか、まだ信じてるの? オズボーン論文を持ち出して、なくなるかもしれない職業一覧をまだ紹介しているの? という問いかけで、本文を締めたいと思います。ご静聴ありがとうございました。

イラッとした