分散システムでは、二相コミットを使用しない限りACIDトランザクションは機能しないが、一般的には複雑過ぎると見られているのが現状であると、Rücker氏はPat Helland氏の論文“Life Beyond Distributed Transactions: An Apostate’s Opinion”を取り上げて説明する。その代用としてRücker氏は、オール・オア・ナッシングのセマンティクスでいくつかのアクティビティを実行する必要がある場合に、長時間実行するビジネストランザクションを採用している。解決策のひとつは、複数のステップと結果整合性(eventual consistency)、障害に対する補償を使用するSagaパターンだ。
Rücker氏は、ワークフローエンジンを組み込むことによってSagaパターンの実装が可能になることを述べた上で、マイクロサービスベースのシステムには一般的にはマイクロサービスごとに、それぞれのワークフローを処理する複数のエンジンが存在すると指摘している。さらに氏は、エンジンが組み込まれていることを強調する — すべてのワークフローが通過しなければならないような中央エンジンは存在しないのだ。