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世界は60年前の言語で動いている。米コロナ失業申請クラッシュでCOBOL使いの古兵が大忙し

それに、COBOLからJAVAへの移行には膨大な手間と費用もかかります。たとえば2012年に移行したオーストラリア・コモンウェルス銀行の場合、5年の歳月と10億豪ドル(約680億円)もの費用がかかりました。

それなんかはまだいいほうで、英TSB銀行は買収時に脱COBOLしたら、何日も業務停止となって3億3000万ポンド(約444億円)の事業損失を出してしまったうえに、システムのメルトダウンに乗じた詐欺の餌食となって、そちらでも4910万ポンド(約66億円)もの被害を出してしまい、カスタマーからの苦情が204,000件集まって、その対応用の新規採用で1億2200万ポンド(約164億円)、顧客補償で1億2500万ポンド(約168億円)のマイナスとなって頭取が辞任。今も完全には立ち直っていません。

こうしてずるずる先延ばししているうちにパンデミックの景気刺激策発動で手当請求のトラフィックが津波のように押し寄せ、レガシーシステムが各所でクラッシュ。「サイトが何日も落ちたままで、失業手当を申請できない!」と騒ぎになって、各地の知事が「COBOL使い急募!」と檄を飛ばす異常事態となったというわけです。

ひぇっ