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Torvalds氏がIntelのAVX-512に「苦死」を望む理由

Torvalds氏のAVX512に対するコメントは、フリー/オープンソース情報サイトPhoronixの記事(「GCC 11 Compiler Lands Intel Sapphire Rapids + Alder Lake Support」)に関するものだ。記事では、次期「GNU Compiler Collection 11」がIntelのAlder LakeとSapphire Rapidsをサポートすることに合わせて、これらがAVX-512命令セットをサポートしていないことを指摘していた。

この記事についてのメーリングリストで、「AVX-512を気に入っていないといいが。GCC11のAlder LakeターゲットではAVX-512は有効ではなく、AVX2のみだ」というコメントに対し、Torvalds氏は、「AVX512が苦しんで死ぬことを望む」と記した。

「AVX512が苦しんで死ぬことを望んでいる。そして、Intelは、魔法のような命令セットを作り、よく見えるベンチマークを出そうと試みるのではなく、実際の問題を修正すべきだ」とTorvalds氏、そして「Intelは基本に帰って、自社のプロセスがちゃんと機能するようにすべきだ。そして、HPC(高性能コンピュータ)など意味のない特別なケースではなく、通常のコードにもっと集中すべきだ」と批判した。

Torvalds氏はさらに、Intelが独占状態を築いたx86全盛期、Intelの競合の方が常にFPの性能が高かったことを指摘し、「AVX-512でも同じことが起きているーー将来もそうだ」と記す。「トランジスタの予算を他のもっと関連性のあることに費やしてほしい。FPの計算であったとしても(それも、AVX-512ではなく、GPUにおける)。あるいは、AMDがやっているように、単にもっと多くのコア(シングルスレッドパフォーマンスだが、AVX-512のようなゴミはなしで)がほしい」とも書いている。「通常の整数コードでパワーの限界に到達したい。動作周波数(memcpyを使うことになる)やコア(使えないゴミはスペースを占有する)を取り除いてしまうAVX-512のようなパワーウイルスではなく」。

「苦しんで死んでほしい」は政治的に許されたワード