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Redmineのチケット駆動開発では、チケットに複数の意味を持たせて運用した方が上手く回る

本来あるべき姿のチケット管理では、チケットに変更管理や進捗管理というフローの側面と、成果物の構成管理や課題や作業の履歴管理というストックの側面を故意に持たせることで、スムーズに運用させる。

一方、Excel帳票でそれらを管理しようとすると、フローの側面のExcel帳票と、ストックの側面のExcel帳票の2種類に必ず分かれてしまう。 なぜなら、ステータスだけ管理したいExcel帳票と、リリース対象の成果物として厳格に構成管理したいExcel帳票は、管理方法が大きく異なるので、具体的な実体として分けざるを得ないからだ。

すなわち、Redmineのチケット駆動開発は、2種類のExcel帳票の具体的な実体が1つのチケットに合体されている。

チケットに対するフローの側面を意識し始めると、ストックの側面を忘れてしまう。

チケットのストックの側面こそが重要なのに、その部分が軽視された運用になってしまうのだ。

ガントチャート重視のチケット駆動開発が、空っぽのチケットを大量発生させるアンチパターンはまさにそれだ。

一方、ストックの側面ばかり強調すると、チケット入力の運用のコストが上がってしまう。

チケットは手軽に起票して、記録して欲しいのに。

誰も更新しなくなるRedmineは、ゴミ箱と同じ。

だから、チケット管理の運用では、フローの側面を強調しすぎると空っぽのチケットが増えて破綻するし、ストックの側面を強調しすぎると、誰もチケットに起票しなくなって破綻する。

チケットの2重性という奇妙な性質を活かすには、そのバランスが重要だ。

フローの側面だけ、ストックの側面だけ、という運用では、チケット駆動のあるべき姿を実現できないし、チケット駆動の効果が得られない。

うーむ...

WBSは別途Excelなんかで管理するという方法も無くはないけど、WBSとチケットの同期で疲弊して放棄される可能性が高そう。

チケットはそれなりに細かい粒度で作成して欲しさあるので、必ずしもWBSの粒度と合致するわけでもない。

WBSは成果物の定義のみに割り切る方法もありそうだけど、それで上手くいくのか? という疑念は晴れない。