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公的機関(医療機関)の情シスをして分かったこと→DXなんて絶対無理

公的機関(とある病院)で情シス部員として、もう何年か勤務しているが、なかなか酷い。

公共機関全部が一緒じゃないことは分かっている。


でも、これが医療情報学会が育てた医療情報技師の姿なのか?

■理由1:請負業者・外部業者に丸投げ

保守、運用管理を別業者に委託するのはよくあるにしても、

「保守・運用管理以外の仕事」も丸投げしてしまう。

理由は単純で、正職員が「定時で帰りたいから」と、「やっかいな仕事はやりたくないから」(正職員のくせに)。

あと人によっては、実務担当職で採用されているのに「研究がしたいから」を理由に請負業者に丸投げしている(口では言わないが、見てたら分かる)。

ちな、請負業者は契約を切られたくないから、理不尽でもやらざるを得ない。


医療情報部的な部署がある医療機関になると診療情報管理士がいることもあるのだけど、

ITとか全然知らない人も多いので、文書とか診療情報のことに関しても、

「ITとか全然分からないから」ということで「保守・運用管理」だけが契約範囲の業者に丸投げする人もいる(管理士の仕事なのに)。

ただ、診療情報管理士が個人的に丸投げしているわけではなく、当病院では部署ぐるみ。

実際はできないから投げているのではなく、雑用だと決めつけ、やりたくないから、投げているのが実態。

正職員を甘やかしている。


まぁ、でも、当院の診療情報管理士について言えば、とりわけ、丸投げとか「これは私の仕事じゃない」とすぐに逃げたりするのですけどね(システム職ではないが)。

「システムのことなんて分からない」と言えば、すぐに誰かに押しつけれる(請負業者に)。

そして、甘やかしてそれを認めてしまう文化。


それに対して、請負業者・非常勤職員は雑巾のように扱われる。

請負・非常勤が大変な状態になっていても、「役割が違うから」と手助けすることは一切ない。

反対に、正規職が大変な時は、請負・非常勤は手助けをするように求められる。


医師・看護師が怒っても責任も含めて丸投げしているのが現状だから、改善しない。

現場から怒られるのは責任の重いはずの正規職員ではなく、半分は組織の外側にいる請負業者の社員と非常勤職員。

逆に、忙しい人間を尻目に、半日以上も政治の雑談したり、業務的に必然性のない資格の勉強をしている職員も実際いる。

不健全でしょ?

で、「自分、公務員だぞ、いいだろ」という態度出てるんですよ。


そのくせ、指示されなければ何もしないのだけどね(当院について言えば、これは管理士・事務方に多いな)。


「発注側」という高みに立って上から目線になっているのもあるし、

端から見ていると「自分たちは公務員で誰もが羨む天上人」という意識があるようで、

「公務員になれたというゴールを達成」したものだから、自己研鑽するという意欲さらさらない(実際にない)。


ちなみに、自己研鑽をしなくても怒られることはない。評価も下がらない。民間企業ではありえないぬるい職場。


あと、簡単な帳票を作成する作業でさえ、業者に頼らないといけない。

Accessレベルを使いこなせない、のが実態。


ああ、あと、公的機関は予算は全部使い切るのが基本なのも一因かもね。

手が空いている人もいるのに、請負・非常勤に実務はそちらにふって、業務中に業務に関係ない資格の勉強をする人もいるのだけど、

請負・非常勤の存在がないと、そういう仕事の仕方は成り立たないでしょ。


腐ってるけど。


ちなみに、非常勤職員は1年の任期付きなのだけど、確信犯的に継続を繰り返して任用することが普通になっている。

「時短勤務をしているだけの常勤職員」のはずなのに、経費の安い非常勤にしているだけ。


■理由2:実務経験者が少ない

あとでも書くけど、特定大学のある研究室の就職の受皿になっているせいで、競争試験が形骸化している。

医療情報学会経由かつ、その大学の人間が優先的に採用されるのが実態。


こういう人は大抵がSE実務の経験はないけど、「研究だけはしたい」奴ら。


帳票作れば多少の業務改善もできるのだけど、そんなこともできない。

ただ、研究は大好きらしいので、医療情報学会とか論文の書き方は詳しい。


だけど、現場の医師・看護師さんが困っていても、


研究>>>>>>>>実務


という優先順位。


大丈夫、仕事が溜まったら請負業者・時短勤務の非常勤職員にねじこめばいい。


こうして、

  • 定時で帰宅する正規職員
  • 実務そっちのけで研究に勤しむ正規職SE
  • 仕事をねじこまれて残業続きで給料の安い請負業者・時短勤務の非常勤職種

という構図ができあがる。


医師や看護師の実務を改善してそれを研究成果にする、なら納得するのだけど、

あいにく、そうではない(あまり書くと身バレするが)。


技術的に分からないことがあったらどうするか?

これの解決方法は、簡単。


外部業者・請負業者に分かりやすい資料を作成させて説明させればいい。

「説明するのは、お前らの仕事だ」と恫喝してね。


こうして、専門知識を勉強していくわけさ。

理由3:正職員の目標管理制度がザル(形式だけ)

そりゃあ、自己研鑽を義務づけたら自分たちが大変になるのが分かってるから、上司ぐるみでちゃんとやらない。


DXもくそもない。

■理由4:ずっと同じ作業しかできなくても評価は下がらずボーナス満額もらえる

公務員は絶対に首にならないからね。


むしろ、DX推進なんてやったら仕事が増える。

だから、やらない。


やっても、やらなくても給料は一緒だから。

だったら、やらないほうが楽だよね?

現場の医師・看護師は大変だけど、「別業務で大変だから」とか「できない」と言えば、何とでもなる。

実態は、暇で手の空いてる人もいるけど。


ちなみに、現場の医療職が怒っても、電話は受付対応は非常勤職種と請負業者に全てやらせている。

これについては、ある診療情報管理士の正規職員がこう言っていた。


「電話や受付対応をすると怒られたり、トラブル対応のために走り回って調べないといけないから、やりたくない」


「専門知識がないから対応できない」とか「正規職員の業務に差し支えるから」、という理由なら理解できる。

でも、そうじゃないのは見れば分かる。

ただただ、高ストレスの仕事で仕事の種類として嫌だから、えり好みしているだけ、なんだよな。


病院という組織の立場に立って責任ある地位にいるから高い給料を貰っているのに、ね


実際、正規職員はSEも含めて、後ろに隠れたがる。

責任感ある正職員もいるが、全員がそうじゃない。

回答の責任も丸投げし、現場の怒りは請負業者・非常勤職員に対応させる。


正規職員の責任なんてどこへやらだ。


博士課程で採用された人は、「私、博士卒だから給与はいいですよ〜(笑顔)」と言ってた。


6時間勤務のはずの非常勤職種にも、常勤職員には与えないような詰め込みの仕事、残業が発生しやすいトラブル対応の仕事を与えることも普通。

見る限り、時短勤務の職員が残業をする率が高く、申請もきちんとしていない(あまりきちんとやると「なんで多いんだ」と怒られる)。


請負業者も同じような境遇だ。

人の入れ替わりが多く、どんどん人が辞めていく。

でも、直接雇用しているわけじゃないから、何も問題視はされない。


でも、こうなって一番困るのは、現場の医師・看護師・コメディカルなんですよ!


■理由5:特定大学出身者でポストが独占されてるから外部者が入らず、改善の余地がない

まぁ、これも大きいよね。


能力じゃなくて出身大学で取るものだから、実務能力も関係ないし、公正な競争もない。

白い巨塔で育って来た人に実務ができるわけがない。

クビにすることもできない。


できないから請負業者、非常勤職種に丸投げするしかない。


ちな、公的機関(独立行政法人も)は、採用にあたっては必ず公募をしないとけない。

でも、特定の人しか入れないようにするための抜け道がある。


これは、自分の職場で実際していることなのだけど、

採用条件を他の人が応募できないような条件にしてしまうこと。


「博士課程保持者」とかね。


実際は博士課程の人間じゃなくても十分できる仕事なのだけど(そもそも実務の仕事に博士課程は必要とは言えない)、

特定大学の特定研究室の就職の受皿になっているから、要するに、特定者に便宜を図った不公平な採用が行われいるんですよ。

公平な競争なんて、一切無い世界ですよ、公共機関なのに。

法令遵守してんのかよ。


で、来た博士課程の人と言えば、院卒なのに実務的な対応能力なんて無いんですよ。

実務を担う職種に研究職を無理矢理ねじ込んで研究活動してるもんだから、現場から問合せが来ても他の誰かが代わりに対応しているのが実情。


理由6:職場・組織の問題に対して当事者意識がない、現場対応から逃げたがる

現場の医療職からの問合せに対して、受付対応・回答(調査をさせたりも)を請負・非常勤職種にやらせ、

正規職はコア業務へ集中したいからと称して、ネットのニュースサイトをずっと見ていたり、資格の勉強をする者もいる。


正規職には現場の怒りは届かない。

彼らは後ろに隠れたがる。当事者意識なんてものはない。

なんだろうな、こういう意識の持ち方は公務員特有だという気がする(当然人によるよ)。


ああ、そいや、正職員の方々の中には、情報収集に熱心な人がいて、

管理する立場でもないのに請負業者が記録している対応の履歴を業務時間中にやたら細かく見てる人も、一定数いる。

職務上は明らかにする必要ない行為なのだけど、そんな時間をわざわざ作る余裕があるから不思議。

で、現場対応、窓口対応は嫌だと言う。

情報収集に熱心なのは、重たい仕事が自分に来ないよう注意してるからだが。


現場対応はできればやりたくないから請負業者・非常勤職員にやらせる、これは本当に多い。

これは本当に正規職員の給与に見合った責任ある行動なのか?

正規職員のイスはもらった。大変なことは別の人にやらせて、楽もしたい。でも、しっかりとした給与も退職金も福利厚生もほしい。

それが実態。


理由7:そもそも経費削減・業務効率化という意識がない。経費の使い方ガバガバ。


だって、年間の予算全部使い切らないと次年度から減らされますから。

備品、必要ないのに買いまくってます。


数名は職場の自分PCに、iMacを使用しています。

当然、予算で買っている。

Macを買う業務上の必然性は一切ありません。

ていうか、職場のシステムはWindowsがベースなんで。

なぜMacか?

当人達いわく「かっこいいから」「Macがいいから」だそうです。

同等の性能ならWindowsのほうが絶対安いですよ。


でも、「Macがほしいから」というだけの理由でMacを買ってました。

いいねー、公務員。

こういうことをするのは大抵、公的機関で純粋培養された職員です。


職場全体は慢性的に赤字なのだけど、経費は使い切るものという意識があるようで…。


さすがに自分はMac買ってません。

無駄遣いすぎることが分かっているので。


あぁ、あと、ブレードサーバーわざわざ買った人いるけど、

あんまし使ってらっしゃいませんね。


研究費は使い切るもんだという意識もあるみたいですが、それにしても無駄遣いでは?

業務効率化も糞もないのに、ボーナス満額もらえるんですよね、国の財源で!


これが、公共機関の情報システム部門ですよ。


DXなんてできない、というより、DXなんてそもそもやる気がない。

だって、自分のことしか考えていないからね。


こうしている間にも、医療職はどんどん疲弊しているというのに。


くたばっちまえ。


医療情報学会も嫌いになりました。


これが、お前らの言う、コミュニケーション、コラボレーション、コーディネーションの本当の姿だったんだな?

言っても何も変わらないんだ。

だから、ここに書いて残す。